わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

ページ番号の書き方

当雑記では,本などからの出典を書くとき,そのページ番号は「p.数字」または「pp.数字-数字」のいずれかの表記を用いています.「p.」はpage,「pp.」はpagesの略です.
高校1年あたりの英語の授業で知り,大学1年になって塾で教える教材にそういう表記があって,こう表記するのが当たり前となりました.自分で書くようになったのは,研究会の予稿集や投稿論文の参考文献からですが,そこでもこの表記で問題なしでした.
といったところで,今年読んだ本.

Question 10: 該当ページを示すのに,p.8-10としてはいけませんか?
一般的なルールは,第7章5節を見てください.また,第6章4-5項も参照してください.
なお山内[2001]は,以下のようにいくつかの例を並べて,○(良し),×(ダメ),△(仕方ない)という分類をしています(pp.120-121).
○p.20 ○pp.20-25 ×p20 ×P20 ×20P ×20p ×p.20-25 ○20頁 △20ページ
(引用する極意 引用される極意, pp.121-122)

(同日19時ごろ修正:上の引用について,元の書籍には,ピリオドの直後に空白はありませんでしたので,詰めました.)
気になったので,「山内[2001]」の文献をAmazonマーケットプレイスで取り寄せました.縦書きの新書本でした.

(i) p.=ページ〔仏p. 独S. 羅p.〕
pは小文字であり,必ず“.”(ピリオド)が必要である.ピリオドは省略したという記号なのである.いい加減な本だと,「p 20」とか「P20」というような表記が見られるが,ダメである.絶対に,「p. 20」である.
「20P」というような表記をする学生がいるが,問題外である.しかし,こういうことは,大学や高校で習う機会がないから,仕方ないといえば仕方ないけれど,こういうのを知らないで文章を書けるわけがない,とつい憤りたくなる.「P20」というような出典表記がしてあったら,私はその時点で読む気力がなくなってしまう.また,p.の複数形はpp.である.一般に略号の複数形は繰り返しになるのだ.複数ページにまたがる場合は,例えば「pp. 45-60」となる.(略)
なお,念のために,ページの表記法の正誤を以下に記しておく.○は「よし」,×は「ダメ」,△は「仕方ない」の意味である.
○ p. 20
○ pp. 20-25
× p20
× P20
× 20P
× 20p
× p. 20-25
また,縦書きの論文で,邦文文献を表記する場合は,「頁」を使うのが普通.当然その場合は漢数字を使うこと.カタカナで「ページ」と書くのもあるが,ちょっとダサイ.
○ 二〇頁
△ 二〇ページ
× 二〇P
× P二〇
(ぎりぎり合格への論文マニュアル (平凡社新書), pp.119-121)

(9月20日:上記引用の一部を修正しました.)
引用先頭の「(i)」は,「省略記法の使用法」の通し番号です.(xiv)まであります.
おおむね了解と言いたいところですが,現在,論文を読んだり書いたりするには不十分です.
まず引っかかったのは,縦書きで,複数ページを表現する際のルールが書かれていないことです.とはいえ私も,縦書きの文章を書いたのは,数年前に科研費の報告書を書いたのが唯一です.
「二〇―二五頁」と,ダッシュで書くのかなあ,しかし範囲指定でダッシュ記号はまずいよなあと思いながら,調べてみると,一例,見つかりました.

<2> 単行本所収の論文:著者名「論文タイトル」編者名『掲載書名』版元、刊行年、○○‐○○頁。<3> 雑誌掲載論文:著者名「論文タイトル」『掲載誌名』巻号、刊行年、○‐○頁。
(引用者注:丸囲み数字は「<数字>」に置き換えた.)

『日本研究』執筆要領(PDF)

PDFでは「−」(全角ハイフン)に見えますが,上記の「‐」と違う,全角の文字です.ATOKでは「はいふん」で変換しないと,出ません.
「山内[2001]」の引用に話を戻して,もう一点,気になってしょうがないのは,ピリオドの直後に空白を入れるべきかどうか.そこでは,他の数字や単語との並びと比較する限り,小さな幅の空白が入っているように見えます.しかし,本文にはその空白に関する指示がありません.おそらく,書籍化にあたり,当たり前のように*1アキが入ったのでしょう.
ともあれ,上の引用の指示を学生が読んだら,Wordで「pp.20-25」とする者がいるかもしれないし,「pp. 20-25」とする可能性もあります.1字アキに,統一すべきでしょうか….
ピリオドの直後に空白を入れること(1字アキ)を,指示/支持しているところがありました.

  • ":" "," "." の右側には必ず半角スペースを置く.(Vol. の後ろ,No. の後ろ等に注意)
  • 上記の例外は,Co., Ltd. のようにその記号が連続しているとき.
  • p. は page の略,pp. は page to page の略である.
参考文献の引用・参照 > 参考文献目録の書き方 [科学技術論文の書き方]

なるほどなのですが,「pp. は page to page の略」というのは初耳でした.なじみの英辞郎とMerriam-Webster OnLineでは見つけることができなかったのですが,ALCで「pp.」を引くと,「ページ(page)の複数形pagesの略」とあり,少し安心しました.ついでに,ALCの用例では,1字アキがありません.
海外は…http://www.physics.ohio-state.edu/~wilkins/writing/Resources/English/abbreviations.htmlが目に留まりました.そう,「i.e.」と「e.g.」は間違えやすいよなあとか思いながら例を見ると,「p. 141」もあれば「p.148」もあります.1字アキが優勢っぽいです*2
所属している学会だとどうか…情報知識学会の執筆要領では,Vol.,No.,pp.いずれの直後にも,空白がありませんでした.BibTeXで生成した,電子通信情報学会と情報処理学会への原稿も,空白なしでした.
そう言えば昔,科学技術情報流通技術基準みたいなのをブックマークしていたなあ.…デッドリンクか.でも調べ直すと,見つかりました.

4.3.12 ページ,記事番号
(1)ページは,数字の前に p. を付けて記述する。
例1. p. 1231-1243 (複数ページ。雑誌の場合は,簡略記述では1231-1243としてもよい。)
例2. p. 45 (単一ページ)

科学技術情報流通技術基準 参照文献の書き方

5章の記述例にも目を通しましたが,1字アキで統一されています.
…待て待て,複数ページも「p.」となっているじゃないか.探し直すと,新たに見つかりました.

文献が複数ページにわたる場合、例のようにpp.表記するのが従来は基本だったが、最近ではp.と簡略化してもよい。

論文の書き方ルール集(その五:引用・参考文献の表記のきまり)

といったところでまとめを.参考文献として,複数ページを指定する際の書式は,「pp. 開始ページ-終了ページ」とするのが主流です.すなわち

  • 「p.」ではなく「pp.」
  • ピリオドの後には空白
  • 2つの数字の間には,半角の「-」

です.
しかし学会のフォーマットや,大学内なら,指導教員の示すルール,なければ研究室の過去の卒業論文などをもとに,一つの論文(原稿)で統一した表記をとるのがいいでしょう.
なお,書誌情報の書き方・見え方に関しては,「TeXで書くとどうなるか」の問題が避けて通れません.また上記で何度か「1字アキ」と書きましたが,アキの幅にも何種類かある*3ことについて,検討ができませんでした.これらは別の機会に考えることにします.

*1:写植工…は古いですね.えっと…電算写植オペレーター,ですか.http://www.wakwakhw.com/kougyou_shashokuop.html

*2:とはいえ,数で判断するのが良いとは限りませんね.10年くらい前のサマーナイトダウンという曲だったかで,「大嫌い 大嫌い 大嫌い 大好き♪」という歌詞に「どっちやねん」とfj.jokesでツッコミを入れたら「3対1で大嫌いの勝ち」というフォローが出たという,ほろ苦い経験を,思い出さずにはいられません.

*3:一つだけ,挙げておくと,http://page.freett.com/comet333/word-015-1moji.html