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マスターコース学生の学会参加・学会発表

じんもんこん振り返りの続きです.
発表を聴いていて,学生による発表が,ずいぶん少ないなあと感じました.
うちとこのほかは,立命館大学の情報理工学部の方の発表はおおむね,学生によるものだったと思われます.ポスター発表の,筑波大学の方は,スーツ姿ではなかったのですが,学生さんだったでしょうか.
それくらい.あとは,この分野で名前の知られた方ばかり.
大学院生,とりわけマスターコースの学生の参加(発表のほか,聴講のみというのを含めて)が少ない学会だったことに,少々,将来への不安を感じました.
といっても,大学院生がたくさん発表したとして,それによって内容のレベルダウンが起こるのは,決していいものではないでしょう.そもそも応募や(おそらく)査読の際に,(筆頭)著者が学生かどうかは,採否で考慮されなかったと想像します.そもそものそもそもとして,プログラム委員でもない,3年連続参加しただけの者が,ここで嘆いてみても,何の効果もありません.
マスターコースに着目しているのは,見聞きしたり成果報告をしたりした学会の経験というのが,ドクターコースに進むか,マスターで終えたとしても研究に関わる職に就くか,あるいは研究だとか学会だとかに一切関わりのない仕事を選ぶか,その理由付けを与える場になりそうだからです.
そう考えると,「マスターコース」の中でも,ドクターコースの試験を受けるだとか就職活動をするだとかよりも前の段階,具体的にはM1のときの学会経験に,何らかの配慮があってもいいのかもしれません*1
私の現状や経験は,こうです:今の所属では,修士論文を出すために,年1回は学会発表をして専門家に見てもらうことが目安となっています.最低ラインは,マスターコース修了までに1回です.修士論文を出して学内の発表会を終えたあと,3月に,その発表をする者もおります.
私の学生時代はというと,M1のときにSCISあるいはCISという略称の,暗号と情報セキュリティに関するシンポジウムというのに(距離が近いこともあって日帰りで)出席して聴き,この分野に関わる人の多さに圧倒されました.翌年,修士論文提出の前の月に発表しました.今でもその分野で有名な方から,先行研究を教えてもらい,ドクターコースに進んでからの研究に生かすことができました.
もう一人,よく覚えている修了生の記憶を,書いておきましょう.話はその1年前からで,情報教育分野の全国大会を,教授が委員長となって実施することとなり,教授から依頼されまして,演習科目の私の担当とその考察を,4ページほどの文章にして,単著で発表したことがあります.
その翌年度,CFPが来たのですが,個人的にはネタ切れでした.ですがそのとき,何だったか機材を投入して,教授の担当授業で何やら工夫をしており,TAをしていたM1の学生に発表してもらおうとなりました.私も共著に入れていただき,発表指導までしましたが,会場へは行きませんでした.あとでその学生(今は学生じゃないんだが)に感想を聞いたところ,座長から「先生」の敬称で呼ばれてびっくりしたとのこと.
学生に対する記憶はここまで.しかし,書いてみたものの,「配慮」として,何をすればいいのかが,見出せませんでした.
私が年間スケジュールに入れている学会発表がもう一つありまして,毎年5月の,情報知識学会の研究報告会です.こちらはさらに発表件数が少なく,そのため大学院生による発表が,ないわけではないのですが非常に少ないと,言わざるを得ません.
そこにも大学院生を発表させるよう,努力していましたが,去年と今年はタイミングに恵まれず,卒業生などの成果をもとに精密化して,原稿はすべて私が書き,発表しました.来年はアテがありまして…と書いて,本人にプレッシャーを与えるのはよくないなあ.

*1:ただし,学会としての配慮よりも,指導する教員がなすべき配慮のほうが,強いでしょうね.