わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

授業をどうする!

授業をどうする!―カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集

授業をどうする!―カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集

Amazonマーケットプレイスで入手しました.講義のアイデア集です.ときには少人数形式の授業への提案もあり,ゼミに適用可能そうです.各アイデアは1段落程度で,たくさんあり,イラスト(この絵は間違いなく日本のもの)とあいまって,楽しく読むことができました.
自分の科目で実施してみたいものを,抜き出してみました.

  • 「これは全員に難しい」と前置きする(p.19)
  • 「これは本当に重要なことです」と強調する(p.32)
  • ジョークを学生から募集する(p.47)
  • 講義のたびに5人の名前を覚える(p.87)
  • 鍵となるトピックに関しては,最先端の研究をしている同僚に電話で尋ねる(p.101)
  • 最新データを物語ふうに伝える(p.102)
  • 試験直前に練習問題を出す(p.121)

最後の項目は,自分の授業でも,初年度から,やっていました.それともう一つ,「最先端の研究」ではないのですが,再帰の概念を,他の科目でどのように教えているかを,先生方に問い合わせたことがあります.昨年度から入れている,木構造BNFの例はその成果です.
さて自分のアイデアを一つ.昨日の授業で,レポート課題を公表しました.100行超のソースコードを正しく打ち込んでもらいます.調査課題と,プログラムを一部いじって考えてもらう問題を入れました.「自分で問題を作って解きなさい」も盛り込みました.
ここまでなら,昨年*1,一昨年*2と,大差ありません.
今年は「他の人から問題をもらって解きなさい」という設問を加えました.レポート課題を介して,学生間で,コミュニケーションを図ってもらうことにします.
友人が多く,何人かから,問題をもらったり,問題をあげたり,問題を伝言ゲーム的に送ったりする*3状況も,あっていいでしょう.そうなると,解答に何を書けばいいのでしょうか? 全部は大変,でも一つでいいの? 自分の作った問題を,他の人が「自分の作った問題」としてしまうことは? 自分で問題を2つ作って,一方は「自分」,もう一方は「他の人から」にするのは??
別に,何でもいいのです.「自分の問題」「他の人からの問題」は,一つずつでかまいません.問題提供者を書かせることで,forgeryやimpersonationに対して少しは抑止力になるかもですね.
とはいえ,もうひと手間,加えてみました.
採点時にすべての答案を照合します.自分のも他の人からのも,「問題」が一致しているかどうかは,重要視しません.自分のも他の人からのも,問題に対する「答え」は照合させて,そこで酷似するものがあれば,減点の対象とします.問題文が違っていても,答えが似通っていれば,アカンよということです.
授業中にもアナウンスしました.そこで,問題文を工夫してもらいたいのですが,さてうまくいくかどうか.

*1:レポート課題(文脈自由文法をCで) - わさっき

*2:レポート課題を振り返る - わさっき

*3:古いなあ.今なら,ReTweetですか.いやそれ以前に,問題をtwitterで,ハッシュタグつきでつぶやく学生が現れてらどうしようかなあ.