先日,学内の演習室で更新されたLinux環境を見たら,Vine Linux 5.1になっていました.
ということで学科の学生が,自宅のWindows環境で,手軽にプログラミングなどできるよう,VMware Player 3の上にVine Linux 5.1(以下これらを「VMware Player」「Vine」と略記します)をインストールして,利用するための手順をまとめてみました.
なお,本日はVMware Playerのインストール方法について書いていません.VMware Player 3.0でUbuntu 9.10を試す - わさっきをご覧ください.現時点の最新バージョンは3.0.1です.
ISOファイルを取得
http://vinelinux.org/getvine.html#ViaFTPから,適当なサイトのVine51-i386-DVD.iso をダウンロードします.
手作業でインストール
http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20091104/1257340653と同じようにしてできるか,作業してみたところ,ずいぶん違っていました.
「新規仮想マシンの作成」で,インストーラ ディスク イメージ ファイルにVine51-i386-DVD.isoを指定すると,「ディスクのOSを検出できませんでした」と出ます.
ゲストOSの選択のところで,Linuxと,「他の Linux 2.6.x カーネル」を選びます.
途中,「ハードウェアをカスタマイズ」のボタンを押します.プロセッサ数は,ホスト環境のCPUの数に合わせます.フロッピーはいらないので,選択してから下の「削除(R)」ボタンを押します.
VMware Tools Linux版のダウンロードが促されたので,素直に「ダウンロード(D)」を選びます.
インストールは基本的に,右下の「次へ(N)」ボタンを押せば進行します.お手軽にあれこれしたいなら,ファイアウォールに関しては「ファイアウォールなし(O)」を選ぶほうがいいでしょう.
10分少々でインストール完了.下部の「インストールしました」のボタンを押しておきます.
ログイン直後にしておきたいこと
起動して,ログイン画面になれば,ユーザ名とパスワードを打ち込んでログインします.デスクトップ画面が出るまで,時間はほんのわずかです.
Synaptic
まずはパッケージの更新をします.isoファイルの時点と今とで,いくつかのソフトウェアがバージョンアップしているわけですから.
上部メニューで,システム>システム管理>Synaptic パッケージマネージャを選択し,rootのパスワードを打ち込みます.Synapticが出てきたら,左上の「再読込」ボタンを押し,ダウンロードが終わればその右の「全てアップグレード」を押し,ポップアップには「マーク」を選び,さらに右の「適用」を押します.
VMware Toolsを入れるまでに有用なキー
ここは「しておきたいこと」ではなく「知っておきたいこと」です.
VMwareの左下に出ますが,ゲストOS(今回はVine)からマウス制御を離れたいときは,Ctrlを押しながらAltをポンと押します.
ゲストOSに制御を入れたいとき,そのウィンドウの中でマウスをクリックするというのでもかまいませんが,代わりに,VMwareをアクティブにしてから,Ctrlを押しながらGというのでもできます.
この2つは,VMware Toolsを入れてからも利用できます*1.
VMware Tools
次に,VMware Toolsを入れます.まずCtrl+Altを押して,マウスカーソルを仮想マシンから離し,VMwareのタイトルバーで,VM(V)>VMware Toolsのインストール(T)を選びます.下にメッセージが出てきますが,無視して,仮想マシンの中でマウスをクリックして,端末のアイコン(「システム」の右にあります)を押し,端末上で以下の順に実行します.
cd /tmp tar xzf /media/VMware\ Tools/VmwareTools-8.1.4-227600.tar.gz cd vmware-tools/distrib su ./vmware-install.pl
「-8.1.4-227600」のところは,本日のエントリを読んで実行した人によっては,違うものになっている可能性があります.なので,キー入力を
tar xzf /media/VM[Tab]VmwareTools[Tab]
とすれば,ファイル名が全部出ると思います.
vmware-install.pl実行時に何度か問い合わせが来ます.そのつど,Enterキーを押します.少々時間がかかるのもあります.コマンドが終わると,下のメッセージが消えます(ついでに,/media/VMware Toolsへのマウントも自動で解消されます).
ログインし直すと,VMwareのマウス透過ができるようになります.
解像度変更
ディスプレイの解像度を変えたいとき,システム>システム管理>ディスプレイとすると,rootのパスワードが要求される上に,そこから変更できません.
そうではなく,システム>設定>ハードウェア>ディスプレイの順に選びます.
少し動かす
端末を出してdfを実行すると,/dev/mapper/VolGroup00-LogVol00 というところが / にマウントされていて,3663100ブロック(21%)を使用していました.
アプリケーション>システムツール>System Profiler and Benchmarkというのを実行すると,マシン環境に関する興味深い情報が出てきます.ちょっと気になったのは,その中のComputer>Languagesの値で,Language Codeに「ja_JP.eucJP」とあります.
あれれ,このVineは依然としてEUCなのかと思って,端末を開き,例えばecho $LANGを実行すると「ja_JP.UTF-8」が返ります.System Profiler and Benchmarkに戻って,Computer>Environment Variablesを見ると,同じ値でした*2.
Vine 5の特記事項と言えば,UTF-8対応のTeXでしょうか.
Vine Linux 5.0 では、 標準ロケールが utf-8 になったので、 日本語 TeX 環境もそれに合わせて、 標準の文字コードを utf-8 になっています。
Vine Linux 5.0 では、 過去に書いた非 utf-8 エンコーディングな TeX ソースコードがそのままコンパイルできるように、 ptexenc による文字コード自動認識を標準で有効にしました。 これは /usr/share/texmf/web2c/texmf.cnf に以下のように設定しています。http://www.vinelinux.org/manuals/tetex-package.html
ちょっと今,texファイルを作る時間的な余裕がないのですが,さしあたりplatexだけを実行してみると,起動メッセージが「This is pTeX, Version 3.141592-p3.1.10 (utf8.euc) (Web2C 7.5.4)」となっていることを確認しました.