「今,何時何分や!?」
「急いでんのん?」
「この朝食とってから,着替えて,いつもの電車に乗らんなあかんからな」
「よお噛んで食べるんやで」
「お前,母親みたいなこと言うなあ」
「だって,かあちゃんやもん」
「そいや実家の母はよお,出勤前に『正確な時計,何時何分?』と言うてたなあ」
「ふーん」
「でもって兄貴は,俺が『今何時?』と聞いたら『餃子』と答えおったんやが」
「何回も聞いてるよ.小学校のときの話やったんやろ」
「せや.それはさておき,テレビの時刻によると,ななじゼロ3分か…んあ?」
「どしたん」
「うちの子が,テレビの真ん前で見とるやないか」
「あれ…あなた,下げちゃげる暇,ある?」
「まあなんとか(立ち上がって)はいはいそこで見てたらあかんで(引きずる)…ふう」
どたどたどた…
「また前に来てんけど」
「うーん.ほな,おもちゃ持たすか」
「そうして」
「はいはい,おもちゃあげるからな.その代わり,下がってや(引きずる)」
どたどたどた…
「おもちゃ持って前に来てんねんけど」
「やっぱあかんか」