ちょうど1週間前の日曜日（10月21日），堺まつりへ行ってきました．
1. 車
前日の晩．
「すんませんが双子んのことはお願いしますね」
「ああ，それでな…」
「はい何でしょうかお父さん」
「こっちはこっちで，あの子ら連れて車で出かけたいんで…」
「はあ…」
「いつもの車にな，双子ちゃんを乗せたいんや」
「はい」
「で，堺へ行くのんは，わしの車を使こてくれるか」
「えっと…クラウンですか」
「運転はできるやろ」
「あ，いや，むっちゃ緊張するんですが」
2. 鎌
当日の朝．
「ん? テーブルの上の鎌，なんじゃこれ．普段の畑仕事でも，使わん大きさに形状やなあ…」
「あ，おはよお」
「おはようございます．あのお母さん，何でしょうかこれは?」
「ああこれねえ，研いでもらいたいんよお」
「…」
「あの子（妻）が言うてたやないの．なんとか公園の中で」
「えっと，ザビエル公園ですか」
「そうそうそれそれ，包丁売ってるほかに，研いでくれるって」
「はあ，しかし鎌はいけますかねえ．ところでこの鎌，何かあったんですか」
「これね，あなたが持って来たんよ」
「え…」
「あなたのお父さんが，使こてたんでしょ．そいでこっちで畑のことをするときにも，使えるようにて」
「いや，すっかり忘れてましたゎ．まあ持って行ってみます．しかし，刃ぁが出てるままでは，物騒ですね」
「新聞紙で，くるんどくよ．他にも研いでほしい包丁があってね…」
3. 車ふたたび
「念のため，実家に電話しとこか．…．もしもし母さん」
「あんたか!」
「これから行くんでよろしく」
「待ってるで!」
「前にも言うたけど，（行くのは）うえの子と，すえの子と，妻と俺の4人やからな」
「双子ちゃん，やっぱ来ぇへんのん?」
「うーん，もっぺん妻と話ししてんけど，子ども4人に大人3人では厳しいゎ」
「まあしゃあないな．ほな」
「あ，ちゃうねん，もいっこあってな」
「どしたん」
「いつもの車やのぉて，今日はな，お父さんのクラウンで行くから」
「ひゃ〜あ! 気ぃつけておいでや」
「せやな．んで，家の前に停めとくのはええことないんで…たしかそばにコインパーキングあったよな」
「あ! それやったら，ご近所さんに言うとくんで，そこに停めさしてもらい!!」
4. 自転車
無事に実家に到着．少しくつろいでから，堺まつりにむけて行こうとなりまして…
「母さんの自転車な」
「ああ，自転車で行くんかいな」
「あんた，乗ってほしいねん」
「俺が乗るのん!?」
「乗らんでええで．押して歩いてくれたらええから」
「…．荷物か何か，自転車に，乗せるんか?」
「後ろの座席にな，うえの子ちゃんを乗せてほしいねん」
「んで2人乗りせえと?」
「ちゃうねん．押して歩いてほしいねん」
「へいへい」
そうこうして出発．
なのですが，まっすぐ目的地に行くのではなく，途中の公園に立ち止まりました．
うえの子を降ろし，遊ばせていて…
「あなた…」
「何やなんや」
「あなた，鎌，持ってきた?」
「おおっと．実家に置いてきてもた．どないしょ」
「せっかく持って来てんから」
「うーん，取りに帰らなあかんか．あと，デジカメも，（自宅に置いた）リュックの中なんよなあ」
「絶対いるいる! 取りに帰って!」
「しゃあないなあ…」
「あんた，自転車で，ひとっ走り行ってきて!」
「てことは…やっぱこのママチャリを漕がんなあかんのか」
「急ぎやで!」
「へいへい．すまんが母さん，家の鍵，貸してくれるか」
「あいよ．急ぎやけど，事故したらあかんで!」
「難しいこと言うなあ」
5. 帰り
ディズニーの山車を見ました*1．包丁も鎌も，研いでもらうのはOKですが，数日かけることにしました．風船をせがむうえの子のために，当たりものでバルーンをもらいました．堺浜で夕食をとったり入浴したりして，日も暮れました．
またねとして，帰路に．
「…．何やうえの子よ．起きとんかいな」
「…」
「寝ててええんやぞ，ママみたいに」
「…」
「パパがママにいう一言で，ママは笑うんやよな」
「けど，パパがママにいう一言で，ママは怒ったりもしてやな」
「あと，パパがママにいう一言で，ママは黙るんやで．ってそんなことぁ滅多にないか」
「…」
「黙るとか滅多とか，難しかったかなあ．まあええゎ」
「ままにきれいっていったら，ままよろこぶよ」
「お前…パパにとって難しいこと，言うなあ!」
