わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

acceptをめぐって

今週の,私の活動のキーワードは,acceptであるように思います.というのも:

  • 科研費で,他大学の先生からお世話になっている分担金(というかその科研*1)が今年度までで,新たに申請されることとなり,また私も研究分担者に加えていただくのですが,申請に必要ということで,直近の研究業績をまとめている*2ときに,2008年度からの3年度分に限ってみると,査読の有無で「有」と書ける成果がずいぶんとあることに,気づきました.再投稿のできる学術論文にせよ,一発勝負の国際会議・国内会議にせよ,1件1件,完成までの厳しくも温かいコメントとともに受理通知をいただき,そのつど成果内容を発表・公表する機会をくださったことを,各項目の誤字チェックをしながら,振り返らずにはいられませんでした.
  • 次はacceptするか否かを私が決める番です.3年生の研究室配属で,1次希望で定員の3名を受け入れてよっしゃよっしゃだったのは先週のこと.今週に入って,1名の学生が単位数の修正により配属の条件を満たすこととなり,学科長が配属先研究室を探していたところ,電話がかかってきて,自分の研究室で受け入れられますかと言われました.本人が希望していると言われれば,断れません.昨日面談をしまして,卒業までの意気込みや,研究の土台となるデータベース関連の授業の合否状況を聞いてから,では一員として楽しい研究室生活を送りましょうねとなりました.学生を帰してからが実は大変で,まずは学科長にメールで報告し,研究室のメンバにもMLで伝え,おっとその前にその学生のアドレスを登録して,あと,学生には今後の予定や研究室活動で必要な情報を連絡しました.
  • 木曜日は演習です.昨年度までの課題3とほぼ同じ内容を,今年度の課題1としました.別の言い方をすると,昨年度までの課題1〜2の内容は,自習してくださいよということです.TCPの通信プログラムで,こちらで用意したコードをデバッグしてもらいます.サーバ側のシステムコールの中にacceptというのがあるのでした.いやそれだけ.しかしまあ,初めて『UNIX Cプログラミング (NUTSSHELL HANDBOOKS)』で学習したときは,なんでlistenとacceptが別々にあるのか,サーバ側はソケットが2つ必要でクライアント側は1つでいいのか,なんてところで引っかかったものです.
  • 課題1はCプログラミングの復習を兼ねていて,要領よくコードを読んで切り貼りできる人は,初回のうちに作業そのものは終えられるだろうと想定していました.しかし授業回数や課題数の都合もあるので,「面談」を取り入れました.初回で「通る」ことを希望する学生には,うんと厳しい条件を課します.授業終了10分前に一人の学生の面談をしましたが,コードを見たところ隠された要件をクリアしていないこと,また口頭試問でこちらの満足のいく答え方を聞けなかったことから,プログラムを見直してよく勉強して,来週来てくださいと“にこやかに”指示しました.not acceptedな事例でした.

まとめ:acceptというのは,蝶ネクタイ*3のど真ん中のようなものです.真ん中の結び目がしっかり見えていることが肝心で,言ってみればこれが「受理通知」「受け入れますよ」に相当します.しかしど真ん中の結び目だけの蝶ネクタイというのはなくて,左右の広がりや,首まわりを1周していることも,認識しないといけません.それらはいわば,acceptという行為をするためのお膳立て,あるいはacceptした後にすべき行動にあたるのです.

*1:より正確には「科学研究費補助金事業」というのでしたっけ.

*2:査読付きの学術論文と国際会議は申請内容の関連にかかわらずすべてと,査読無しの発表については申請内容に関連するものを取り出して,年代をさかのぼる順に並べる,という方針でやっていて,これまで特におとがめを受けたことはありません.

*3:蝶ネクタイの結び方・締め方 - 蝶ネクタイ ボウタイ 専門店 Bowties.jp