わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

エレベータートーク

はじめに:ビジネスの世界で使われている「エレベータートーク」の意味をいったん忘れて,お楽しみください.

1. 開閉

「『開』のボタン,押しときますね」
「お前それ,『閉』やぞ」
「あ! すみません」
「紛らわしいよなあ」
「ええまあ」
「あと絵で,外方向の矢印で『開』,内方向の矢印で『閉』ってのがあるけど,あれもぱっと見,分かりにくい
「そうですね」
「『OPEN』と『CLOSE』やったら,まあ,間違えにくいかな」
「それだと英語が読めない人にはつらいですよ」
「まあなあ」

2. 入口と出口

「なあなあ」
「はい?」
「エレベーターでな,入るときと出るときでドアが違う,っちゅうのがあったりするやんか」
「えーそんなんあるんですか!?」
「エレベーターにドアが二つついててやな…空港とか,駅とかで,たまに見かけるかな」
「今度,見てみます…」
和歌山大学から一番近い,そんなエレベーターを見るには,"シティワカヤマ"へようこそのボウリング場へ行けばいいですかね.

3. 沈黙

「なあお前」
「あ,はい!」
「なんかずっと緊張してたみたいやけど…」
「あの,僕ですね,人が大勢いるのに誰もしゃべらないってのに,耐えられないんですよ」
「あー分かる分かる.みーんな,ドアと,階数の表示のほうを見てて,はよ止まれはよ開けと思ってるもんなあ」
「あ,いや,エレベーターじゃなくても,こう何ていうか,沈黙に耐えられなくて」
「ほなお前,一人でおるときも,沈黙に耐えられんと,一人で何かしゃべってんか?
「いやそれはないですよ.二人以上のときだけです」

4. キャンセル

「ここのエレベーター,押した階を間違えたら,キャンセルできるねんてな」
「え! そうなんですか?」
「やっちゃろか.適当に階を押して,ボタンにランプがついたら,ちょっと長押しして,離して,もう1回押したら,ほら消えた」*1
「うわー,すごーい」
奥から
「すみません,その階,私が降りたいんで,押し直してもらえませんかね」

5. キャンセル2

エレベータを待ちながら.
「あっ!」
「ん? ああひょっとして,下に行きたいのに上へ行くボタンを,押したのかな?
「そうなんです」
「うーん,中に入ればキャンセル技ってあるけど,待っているときにキャンセルできるエレベータは,見たことないなあ*2

6. 歩いた方が早い

「あー,これやったら,歩いたほうが早いよ
じゃあ今から降りますか?
「無理」

7. 歩いたほうがいい

あんた,健康のために,歩いて行ったほうがええんとちゃうかな*3
「はあ…」

8. 各駅停車

「5階から上,ずーっとランプかよ」
「各駅停車みたいですね」
「あ,そういえば,南海高野線の急行は,河内長野から先,各駅停車やなあ」

9. もう少しで満員

「ぎりぎりやねえ」
「ええ,何とか乗れて,よかったです」
「まあ重量は大丈夫なんやろけど…昔聞いたのでは,奥なんかに固まってると,ほんまは重量オーバーやないんやけど,センサーが勘違いして,重量オーバーとしてブザーが鳴ったりするねんてな」
「へえ,そんなことあるんですか?」
せやねん.あと一人,入れるかどうかっちゅう状態で,ドアが開くやんか」
「はい」
「それで,ドアが開いたら,乗りたい人がおる,っちゅうときに入ってもらうようにと,奥に詰めたらな…」
「はあ…」
「乗ろうとして,足を踏み入れようかってときに,ブーって鳴ることかてあるんやで!」
「そんなん嫌ですねえ!」

10. FIFOのエレベーター

「何やドアが開くたびに人の移動が激しいなあ」
「まあそうですね」
先に入った人が,先に出ていってるんやな」
「何て言うんでしたっけ?」
First In, First OutFIFOやな」

11. 鏡のある理由

「このエレベーター,奥に鏡があるやんか」
「ええそうですね.なんであるのか知らないんですけど」
「車イスの人のため,やったかな」
「え!?」
「車イスの人が入って,中で方向転換できなかったとするやん」
「はい」
「んでそんな人が,降りるときに,鏡を見て,後ろに人とか障害物とかないかが,分かるようになってんねん」
「へえ.ちょっと教えてほしいのですが」
「何や?」
入って,方向転換できなかったら,どうやって行き先のボタンを押すんですか?
「んーそうやな,車イスが入れるくらいやったら,ドアのそば以外にもボタンがあるはずやからそれを押すとか,人がいるなら階数を言って,押してもらうとか」
「言われてみればそうですね」

12. エレベータートークに対抗して

「なあ,エレベータートークって,知ってるか?」
「いえ.中で適当に話してたらええんですか?」
「ちゃうねん.ビジネスでな,たまたまか,戦略を持ってかして,エレベーターに同乗したお偉いさんに対して,自分の事業内容なんかを,お偉いさんが降りるまでに話して,関心を持ってもらうことを言うねんで」
「へえっ,そんなんがあるんですか!?」
まあ俺らには無縁の話やけどな
「いやそんな」
「あと,エレベーターシューズってのもあるんやてな」
「エレベーターの中限定の,靴,ですか?」
「いや,elevateって,持ち上げるっちゅう意味やんか」
「そうですね」
履いたらelevateしてくれる靴やねん」
「…」
「昔,シークレットシューズっちゅうのがあってんけど*4,知らんか」

Inspired by: エレベーター・トーク - 通訳クラブ

*1:うちとこの大学・学部棟のエレベータでできます.行き先ランプが一つしかついていないときに,それを消すことは,できません.

*2:野暮な解説:仮にどこかにそういうキャンセルのできるエレベータがあるとしても,ここは「見たことないなあ」と言うべきなのですよ.

*3:野暮な解説:発言者はエレベーターの中で一番偉い人,相手はエレベータの中で一番若いか体格の大きい人,でないと面白くありません.ついでに言うと実話です.

*4:野暮な解説:今もあります.検索すれば商品サイトがすぐ見つかります.一時期に(ネット通販がなかったころの)通販なんかで,写真つきの広告をよく見かけたものでした.