わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

自分を支えるものは何か,考えてみた

ブログの情報によると,今日は日記をつけた日数がちょうど1600日と,ちょっとしたキリ番になります.これまで書いたことを振り返りつつ,なんでこれまでこんなに書き連ねてきたか,考えてみました.

研究者

情報通信分野の研究者をしています.「理系かいな?」 まあその通りです.
和歌山大学に来てからはデータベースシステムを主軸に据えて,研究をしています.データベース管理システム(DBMS)そのものの効率化・高性能化というのは手を出しにくいのと,教授が学内外からよく仕事を取って来られてきたため,応用寄りです.その分,様々な人と連携して,研究を進めることができました.
手法,対象・分野,関係者*1,実装の手段について,学会発表や共同研究のリストを見直し,新しいものから遡る順に,並べてみます*2

手法:Webアプリケーション(サーバサイド/クライアントサイド), バージョン管理, テキスト処理, 全文検索, 図式表現, 画像処理, データマイニング, ビデオゲーム, テキストマイニング, マルチモーダル, 項書換え系, 公理的方法.

対象・分野:デジタルアーカイブ, CSCW (Computer Supported Cooperative Work), コンテンツ管理, SQL*3, 開発者支援, 環境情報処理, デザイン創出支援, 看護・介護, 電子商取引, ビジネスモデル, バイオインフォマティクス, 業務支援, 授業支援, 産学交流・地域コミュニティ, 脳神経外科, 製品デザイン, 安全性検証, 個人認証, 暗号プロトコル.

関係者:人文研究者, 病院医師・看護師, バイオ研究者, 地元企業, 脳外科医師, 教員(必ずしも大学でない), 官公庁

実装の手段:Ruby, SQL, PHP, HTML, JavaScript, DOT (Graphviz), SVG, R, Perl; Subversion, PostgreSQL, MySQL, Hyper Estraier, Namazu; パブリッシャ, 脳波計

「理系」なのですが,普段の研究で,微積分や行列・ベクトルを使うことは皆無です.「じゃあ,いつもコンピュータとにらめっこ?」 そうですね.でも,学生時代のセキュリティの研究の影響で,形式化,すなわちファンタジーの法則でいうと,左上から右上にどうやって持って行くかの枠組みを考えるのも,まあ好きな方です.この作業は基本的に紙と鉛筆で,それと自分の頭をずいぶんと使います.
関係者からいただく論文や文書を目にして,自分が書くのとずいぶん違う慣例があるのだなあと思うことも,しばしばです.

教育者

研究室で,学生を指導しています.ただこれは,教育の面と研究の面があります.
授業をいくつか担当しています.100%担当の科目は,1年後期のCプログラミングと,3年前期の情報セキュリティです.話す内容は安定してきましたので*4,ここ最近は作問---どんな情報を学生に提示して真剣に考えてもらうか---に力点を入れています.
レポートと試験について,過去問とその解答例はすべて公開しています.毎年,新作しています*5

工学者

理系の中でも,所属はシステム工学部ですし,学位にも工学の文字が含まれるので,外から見ると間違いなく,工学者です.
それはそれとして研究を進め,本などを読んでいくうちに,学生にも伝えることのできる,工学の本質と言っていいものを見つけることができました.
「一つの問題に対して,複数の解決法があるとき,どれを選んで,形にするか?」
少し解説しますと,まず解くべき問題の特定(同定とも言います)が不可欠です.そして私が関わる範囲では,その問題を解く方法が「ない」というわけではなく,天文学的な時間,途方もないコストを費やせば,解けるものです.しかしそんな時間やコストを費やすわけにはいきませんので,既存のアプローチをよく調査したり,問題を少し変形したりしながら,妥当解(落としどころとも言います)を見つけます.
そこまででいいのだったら,“理論”です.理論と,私が携わっている工学とを分離するのは,最後の「形にする」という段階です.実装し,評価実験をして,(実用的な環境で)実行できるようになっただとか,既存手法となんらかの尺度で比較して向上しただとかを,主張することになります.
学生のみなさんも,授業あるいは学会で,「この問題にはこの解法」という言い方を耳にしたとき,実際には複数の解法があるのだろうけど,論証や淘汰の結果,「この問題にはこの解法」という結論に至ったのだろう,と考えればいいのです.
ここまで書いたことと密接に関係するキーワードは,「設計」「デザイン」です.デザインの範囲は,解くべき課題に応じて,大きくしたり小さくしたりします.

プログラマ

緻密なシステムを作り上げるというのは苦手で,そんなのを一人で実施して一人の成果にするよりは,研究室の学生と連携して実現する方が,みんなの利益になりますので,そうしています*6
授業準備で,あるいは,本のとあるページの影響で,「これってコードにしたら面白いのでは?」と思うことがよくあります.少々検討して,画面に向かいます.新規に書き上げることもあれば,既存のコードを検索して,見つかれば手直しして完成とすることもあります.50行以内に収まれば簡潔なほうで,500行を超えると,とくにRubyスクリプトでは,ずいぶん大きいなあと思っています.
図も,当雑記をご愛読の方はご承知のとおり,よく描くほうです.基本的にはPowerPointですが,今後のことを考えて,Inkscapeでベクタ型の図を作ってラスタライズすることもあります.ここでもまた,精密な「絵を描く」*7のは苦手です.外部の方と共同で申請書を作成することになり,こちらで処理の流れを図にして送ったら,数日たって返って来たのがもう洒落にならないくらい肉付けされていた,ってのはどこかで書いたことあったかな….

妻子持ち

結婚・改姓したのは2003年で,第一子を授かったのは2008年です.たぶん今月(もしかしたら来月),家族が2人増えます.
1日1件以上,何か書いて公開する,というのは,結婚前からしていました.はてなダイアリーに落ち着いたのが2006年だったというだけです.
ただまあ,普段から,妻に娘に,変な働きかけをしているなあとは思っています.ブログのネタというよりは,大阪で生まれ育った者の,「地」です.「摂津峡の向こうにはなあ…鯨がおるんやで.それも,ただの鯨とちゃうで…ナメクジと鯨が合体した,ナメクジラや!!」と言って笑わせてくれた,阪神タイガースが負けた次の日は朝食をとらなかった,という祖父の境地に行き着いてみたいという気持ちもあります.
ちなみに親馬鹿エントリは,いずれも実際にあったことをもとにしております.部分的に虚構を入れていることはありますが,高くても20%程度です.

IIDXDDR

beatmania IIDXDance Dance Revolutionを嗜んでいます.どちらもKONAMIのいわゆる音ゲーです.
リズム感も体力も年々低下して*8IIDXは難度10が半分クリアできる程度,DDRは難度14と15の中で何曲かクリアしたくらいです.ちなみにIIDXの最高難度は12,DDRは18ですが,今,苦労している難度の一つ上は,到底手が出せません*9
名曲と感じたものをクリアできるようになり,一度クリアしたものはより高得点で,ミスを少なくして叩き踏めるようになりたいと,精進しています.
ところで,IIDXDDRもそれぞれシリーズになっていて,新作が(新筐体で,またはこれまでの筐体のままで)出回ると,大小いろいろな違いを知ることができます.その中でも,曲難度の変更に気づくというのは,最大の楽しみです.

*1:研究をする上で実際に情報交換などを行った人を指し,論文などの中で書く,想定する利用者というのは,入れていません.

*2:後ろのものほど,現在の自分の研究活動から離れたキーワード,とも言えます.

*3:これがここに入っているのは誤記ではなく,実際にSQLを対象とした研究をして,昨年4月に論文発表にこぎつけました.

*4:来年度のプログラミング授業では,教科書に沿って実施する予定なのですが.

*5:と胸を張って言えればいいのですが,択一式や空欄適語の問題は,試験で2年連続出さないようにしつつ,使い回しをしています.

*6:ただし,外部からのアクセスを想定したシステムのサーバ管理は,私がしています.

*7:ナニワ金融道』でときどき現れる,designもしくはorganizeの意味ではなく,文字通りにとらえてください.

*8:その一方で,DDRの途中終了基準が緩くなり,数年前では到底クリアできない曲が,できるようになっていたりします.

*9:まあそれでも様々な易化設定はありまして,Innocent Walls[H]はEASY+AUTO SCRATCHでクリアしたことがあります.