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事務ミスを減らす6つの解決策

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

第5章がこの本の中心となる部分で,解決策に番号がついています*1

  1. それ無しで済ます
  2. やり方を変える
  3. 道具を変える
  4. やり直しが効くようにする
  5. 致命傷にならないための備えを講じる
  6. 問題を逆手にとる*2

いずれも,研究に活用できそうです.学生室の本棚に,置きますか.
あとはつまみ食い…

解決策は,しばしば隠れていた別の問題を引き起こすものです.解決策はワースト1だけを解決しがちであり,それによって隠れていたワースト2の問題が一位に繰り上がることがあるからです.
(p.75, 太字は原文どおり)

これって,ルーディーのルタバガ法則*3なのでは…
と思って巻末を見たら,『コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学』が参考文献に入っていましたか.
次.「フローチャートを廃止して表を使う」(pp.179-182)として,旅行料金の判定をするためのフローチャートと表が書かれていますが,これはフローチャートというよりはツリー構造で表現したくなるような事例です*4.実際,p.181の資料10-29は,ツリーの表形式にしか見えません*5
要注意なのはp.205の資料11-5で,「何に関する情報か」で3種類,そしてそのそれぞれに対して,「誰が知るべきか」で2種類の場合分けをした,ツリーの表表現なのですが,これはむしろ,「何に関する情報か」を行,「誰が知るべきか」を列に置いた,いわゆるマトリックスの表にするのが自然です.学生の研究報告で,資料11-5の形の表を作っていたら,マトリックス型にするよう指示をしたくなります.
p.199の図は,「画像優位性効果」*6に関して最も分かりやすい例だと思います.

*1:ただし,その順に解決策を考えよというわけではなさそうです.

*2:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20080811/1218401749に書いた「袋の中の2個の黒い石」の答えは,まさにこれでしょう.

*3:http://wiki.livedoor.jp/pdd_nos_yokohama/d/%A5%EB%A1%BC%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A4%CE%A5%EB%A5%BF%A5%D0%A5%AC%A4%CE%CB%A1%C2%A7, http://hp.vector.co.jp/authors/VA000092/misc/TheSecretsOfConsulting.html

*4:ただし,一つ葉へ複数の内部節点から降りている箇所があり,厳密に言うとツリーではありません.このように分岐のあとの統合を認めるべきか,別々の結論(葉)とすべきかは,少々悩みどころです.

*5:もしかして,Excelなんかでこんな表を作って,あとで料金の列に関してソートしたいのかな…と思ったけれど,左側の列は,複数のセルを統合しているので,そのままでは無理のようです.修正---DBにおける第一正規形---はそれほど難しくありませんが.

*6:記憶に間違いがなければ,この言葉は『プレゼンテーションzen』で最初に知ったのですが,当時は,言いたいことは経験上分かるが,どうもぴんと来なかったのでした.