わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

原発関連でこれまで書いてきたこと

なのですが,原子力に対する地域住民の意識…もちろんそれは「一枚岩」ではないのですが…がよく整理されています.「スリーマイル島チェルノブイリがあったじゃないか」とか「補助金,仰山もろてるんやろ」とかいった程度の意識で,この本を読み進めると,驚嘆すること間違いなしです.
(略)
「繰り返し対話する」「専門家側も変わる」「信頼と納得は別」「正確性より即時性を重視」「不利な情報を積極的に話す」(第三章の小見出しより)は,分野を問わず,専門家が,非専門家と信頼関係を築くための重要なポイントと言えそうです.
(略)

このような参加者の振る舞いをどう評価すべきか.好意的に解釈しない専門家も少なくないだろう.しかし北村教授は,専門家と比較して重要情報へのアクセスが容易ではない市民が,作為的な質問を行い,それに対する回答ぶりを通じて専門家の知識レベルや人間としての信頼の程度をはかろうとすることは,当然の「試す権利(北村,二〇〇七)」であると述べている.また,このような試しの質問にも誠実かつ的確に回答する能力も,専門家が持つべきコミュニケーション能力の一つであろう.対話フォーラム初期段階における「試しの質問」にどう対処できるか,これは信頼関係が構築できるかどうかの一つの分かれ道であった.
(pp.93-94)

対話の場をデザイン〜そして工学へ
  • なぜプログラミングをするのか?
    • 高速・高精度が要求される処理が可能
      • ロボット,車,原子炉などの「制御」
      • (以下略)

コスト<資産価値×攻撃成功確率 (ならば対策をとる)

「なぜプログラミング…」は,1年後期のプログラミング講義の初回授業資料*1,「コスト」の不等式は,3年前期の情報セキュリティの初回授業資料より*2
で,今後ですが,プログラミングのほうの「原子炉」は,今回の震災を連想する人がいるかもしれないこと,私自身がそれを専門としないこともあって,取り除く予定です.と思ったら今年度から教科書で進めるのでした….
コストの不等式は,継続して使用します.資産価値も攻撃成功確率も,皆が同意するような一つの数で表すのは無理なことを押さえた上で,大まかな見積もりの必要ないくつかの対象に対してこの不等式を想起し,それぞれを比較し,対策をとるための優先順位を決めるのに有用だと考えるからです.

*1:なぜプログラミングをするのか?

*2:レポート答案を見比べてに『ばれる確率×損失 + (1-ばれる確率)×利益』という式を挙げています.おっと,ここのかけ算は,何の何倍とは逆になっているぞ….