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研究する前に,計算機整備を

えっと,4年生のみなさんは,就職活動を優先してくれてかまいません.とはいえ,ゼミ実施の日に就活で大学に来ることができないときは,事前に欠席連絡がほしいところですが.それと,陰で,研究活動を怠らずにしてほしいなとも思います.
なのですが,そうも簡単にいきませんね.卒業研究のテーマも固まっていない,この時期に,「研究活動」できますか? …
研究に取りかかる前に,まさにぴったりの,するべきことがあります.それは,計算機環境の整備です.
4年生になり,研究室に机とPCを持つようになったわけです.そのPCをフルに活用して,自分の手に少しでもなじむ環境を作りましょう.そして,こちらから「こういうのをつくってほしい」という依頼---WordやExcelの文書だったり,ちょっとしたソースファイルだったりするかもしれませんが---をしても,すぐ対応できるようになってほしいのです.
計算機環境の整備は,3つに分けてで行うといいでしょう.
まず最初は,その計算機の仕様を知ることです.具体的には,CPU,メインメモリ,HDD,それとOSです.CPUは,その名称とクロック数,それと最近ではコア数も把握しておきたいところです.OSは,「Windows」で終わるのではなく,7かVistaかそれより古いのか,32ビットか64ビットか,HomeかProfessionalか,なんてのもチェックしましょう.
なぜ仕様を知るべきなのかというと,そこから性能が推測できるからです.性能を,推測できるようになってほしい,というべきかもしれません.とはいっても,ベンチマークを実行せよと言っているわけではありません.これから1年使うのんはこんな仕様,サーバはこんなの,携帯端末はこう,とそれぞれ異なる種別・数値やOSであることを,今のうちから理解しておこうということです.卒論で,実装や評価のときに,その種の情報を書く慣習もありますしね.
と,ハードウェアそれとOSがどんなもんかを理解したところで,基本的なソフトウェアが入っていることを確認し,なければ,インストールしていきましょう.これが2番目にすべきこととなります.
まず文書作成の基本中の基本は,Microsoft Officeですね.みなさんのPCには入っているはずです.なければ,ボリュームライセンスで入れることができますので,メディアとライセンスキーについてはこちらに相談してください.
それから,各種の文書や,Webからダウンロードできる論文なんかが,PDFファイルになっていることがよくあります.なのでPDF閲覧のソフトウェアも入れましょう.Adobe Readerでいいと思いますが,Foxit J-Readerなんてのもあります.
PDFについては,見るだけでなく,自分でもファイルをPDFにすることが,できるようにしておいてください.言い換えると,PDF作成のためのソフトウェアも,入れておきましょう.
プリンタドライバとして,PDF作成ができるものがいろいろあります.その一つでいいので,無料のものでいいので,入れましょう.
次は…日常よくつかうソフトウェアですね.Webにアクセスするためのブラウザ,メールを読み書きするためのメーラ,それとスケジュール管理のためのスケジューラです.
それぞれ,常時使用は一つずつでいいでしょう.ただ,一つに決めるまでにあれこれ試してみるだとか,Webアプリケーションの動作確認用に複数だとか,使うことになるかもしれませんね.
「文書作成にはOffice」と,先ほど言いましたが,プレーンテキスト,いわゆるtxtファイルや,ソースファイルを作成するのには,適していません.そういった用途には,テキストエディタを導入しましょう.研究室内では,サクラエディタを使っている学生が多いかなという印象があります.それに合わせるのもいいですし,演習室で使ってきたEmacsに指がなじんでいるという人には,NTEmacsxyzzyなんてのがおすすめです.
それから…使わないときはぜんぜん使わないけど,ある時期に集中してよく使うことになるツールが一つ,あります.リモートログインをするソフトウェアです.研究室内外のサーバに,接続し,ログインできればそこでシェルが使えます.接続の方法については,現在はSSHが必須で,かつそれで十分でしょう.PuTTYというのが最適なソフトウェアです.
リモートでログイン,というのと別に,ほしいのが,自分のところからサーバへのファイル転送です.WinSCPFileZillaを入れるのがいいでしょう.なのですが,Subversionを使えばファイル共有も簡単です.このためのソフトウェアは,TortoiseSVNです.
オンラインストレージも,使えるといいでしょう.例えば,自宅と研究室とで,ファイルを同期できます.Dropboxなど,無料で定評のあるものを選ぶといいと思います.多くの場合,無料のユーザ登録が必要になります.そこで登録した情報は,もちろんパスワードも含め,きちんと管理しましょう.
あと余裕があれば,PC上で動くシェルを,充実させたいところです.私はCygwinを入れていますが,万人向けとは言えません.
みなさんが導入しやすく,またメンテナンスしやすいものとして,仮想化ソフトウェアが一つの方法です.Virtualboxというのがあります.
とはいっても,これを入れればすぐシェルが使える,というわけではありません.次にOS---Linuxでいいと思いますが---を入れます.数百メガバイトのISOファイルをダウンロードして,CDに見せかける設定も必要になります.手順は,Webで少々調べれば,見ることができます.そういった一見煩雑な作業を通じて,自分がソフトウェアを開発し,他の人に使ってもらうときに,やってもらう作業の一つ一つが本当に不可欠なのか,省力化できないか,順序を逆にした方がいいんじゃないか,とかいった問題意識も持ってほしいと思います.
ソフトウェアはあと,Glary Utilitiesなどのメンテナンス系と,System Explorerなどのシステムモニタも,入れておいていいと思います.と,こんなくらいにしましょう.
計算機環境を整備しておく3番目は,ネットワークです.
まあ,これを3番目のステップとしてしまうと,今まで言ってきたソフトウェア,ダウンロードはどこでするの? ということになりますので,「つながる」までは,先にやっておきたいところです.
これまで,研究室内では,ブロードバンドルータを入れることで,IPアドレスの衝突がなるべく起こらないようにしてきました.すなわちみなさんは,ブロードバンドルータのLAN側の一つと,自分のPCのところとに,LANケーブルをつなぎ,ネットワークが自動接続になっていることを確認すれば,それで外へのアクセスができるはずです.
外へのアクセスというのは,学外のWebサイトもありますし,大学のWebページもありますし,それから,研究室内の各種サーバも考えられます.それぞれ異なるネットワーク空間,ネットワークアドレスですが,スムーズに行き来させてくれるのは,ブロードバンドルータという小箱のおかげなのです.
なお,今なら無線という方法もあります.有線とは一長一短です.余裕があれば,どちらも使えるようにしておきたいものです.
一通りソフトウェアを入れてからでいいので,もう一つ,やっておきましょう.研究室内のプリンタへの接続です.書面での提出物や,ゼミ用の配付資料の作成を考えると,この作業は不可欠です.
プリンタを使えるようになる方法ですが…先輩から聞くか,プリンタの前でちょちょっと操作して,プリンタのIPアドレスを知ってください.そして,プリンタの型番で検索をすれば,ライブラリだとかユーティリティだとかいった,ソフトウェアを入手できるはずです.それを入れてアドレスの設定をし,試し刷りをして,ちゃんと自分のPCからそのプリンタに印刷依頼が出せることを,確かめましょう.

なにこれ

4月9日に,研究室のゼミで話した内容です.
字数は多いですが,これに関して提示したスライドは1枚だけです.

無料ソフトウェアへのリンク

上で説明していないソフトウェアもあります.