「おいっす.ママ,元気かぁ…と言うたものの誰もおらんのか.待っとこか」
「あ,あなた…そろそろかなと思ててん」
「おうよ,NICUから出たんやな,すえの子?」
「せやねん.今,新生児室に戻したとこ」
「見ること,でけるか?」
「新生児室に入れるのんは,ママだけやからね…持ってくるゎ」
「いや,そろそろかなと思ってて,なんで新生児室に戻したとこなんや.話がおかしいぞ…」
「ともあれ,まあ良かった…」
「あれれ,ママの携帯,鳴りだしたぞ.誰からやろ…お義父さんからか.取ったほうがええかな.あーもしもし」
「すえの子ちゃん,やったな.見ること,できるか?」
「あーはい,今,あの子が取りに行ってるところで,僕も今日はまだなんですが」
「今から,家族みんなで,そっちに行こうと思てんのやが」
「えーあーはい,みんなで見るってことですね」
「それでお前も,一緒に帰ったらいいやろ」
「そーですね,そーしていただけると,助かります」
「これから準備して行くんで…20分ほどしたら,正面玄関に来てくれるか」
「20分,あーはいわかりました」
「あなた,連れてきたよ」
「おー,パパやぞぉ,元気やな.んですまんが,お前の携帯,とったぞ.おじいじからや」
「何て?」
「今から来るねんて.みんなで」
「そらまあ,NICUから出たから,見に来たいんよねぇ.あなた,よかったね.みんなと会えるで」
「パパも,毎日見に来たいけどな…」
「明日は,仕事なんやったっけ?」
「せやねん,締切があってな.まあ,さきの子・あとの子を風呂に入れるんは,やるけどな」
「すえの子,だっこしちゃってよ」
「ああせやな…うゎ,軽い!」
「そら生まれたばかりやから」
「あとなあ,顔,ちっこくないか?」
「え? こんなもんやで」
「昨日まで見てたときは,もっとでかかったような…あ,そっか」
「どしたん」
「帽子,かぶってるからか?」
「帽子で?」
「この子,着やせするんかなあ」
「そんなことないやろ.…あ.晩ごはんの時間やて.一旦この子,戻してくるね」
「へいへい,ごくろうさん」
「さて,全員で来たぞ…と言うたもののママおらんか」
「みなさん,お待たせ〜.はい,すえの子ですよ!」
「おお,来た来た.うえの子にも,さきの子・あとの子にも,見せちゃるか?」
「せやね.あたしがだっこするゎ…はぁい,あなたがたの,妹ですよ〜」
「きゃ! きゃ!」
「あとの子よ,興奮するんはええけど,手ぇ,ばたばたさして,すえの子の帽子をぽんぽん叩くな〜!!」
近況報告:本日,母子ともに退院しました.