昼
「えっと,あれ,お前は,あとの子やな!?」
「そやで」
「あ〜,顔を正面から見たら分かるんやが,上からやと区別しにくうてな」
「そうなん」
「まあ点呼しとこか…(あとの子を見ながら)我が家の,あとの子ちゃん!」
「(右手を挙げて)はーい」
「よっしゃ,かいらしな.次は…(さきの子を見ながら)我が家の,さきの子ちゃん!」
「(右手を挙げて)はーい」
「いやいやあとの子よ,お前ゃない.さきの子ちゃーん」
「(こちらを一瞥して,またおもちゃで遊ぶ)」
「まあこれはこれで,区別しやすい,か…」
夜
「今日もまあまあ働いたし,ベッドでごろんさせてもらうか.さきの子・あとの子も,寝っ転がってるようやな.掛け布団なしでもまあええか」
「….ん? パパが来たんで,目ぇ覚めたってか」
「あー,あ−」
「完全に,立っとるな.寝つけんか?」
「…」
「ほなまあ,これやっとくか…我が家の,あとの子ちゃん!」
「(右手を挙げる)」
「念のため,もひとつ…我が家の,さきの子ちゃん!」
「(右手を挙げる)」
「よっしゃ,お前はあとの子で確定やな」
「…」
「せやなあ,眠たなかったら,起きててもええんちゃうか…とか言うてみたら,こてんとしおった…」
「んで,さきの子も存在感を示すかのように,もそもそ動きよるのお」