わさっきhb

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アクセス・コスト・クオリティ

http://b.hatena.ne.jp/takehikom/20140107#bookmark-176444162のコメントについて,意図を書いておきます.

アクセス(医療機関の受診のしやすさ)
コスト(国全体で医療に費やす総費用)
クオリティ(医療の質)

2014-01-07

上記の3要素が,CAP定理の3つの性質,すなわち一貫性・可用性・分断耐性に対応しそうだなと思ったのでした.

ノード間のデータ複製において、同時に次の3つの保証を提供することはできない。

  • 一貫性 (Consistency):全てのノードにおいて同時に同じデータが見えなければならない。
  • 可用性 (Availability):ノード障害により生存ノードの機能性は損なわれない。つまり、ダウンしていないノードが常に応答を返す。(略)
  • 分断耐性 (Partition-tolerance):システムは任意の通信障害などによるメッセージ損失に対し、継続して動作を行う。(略)
CAP定理 - Wikipedia

患者は医療機関へ行き診察を受け,ノード(乱暴に言うと,計算機)の間では情報を複製(共有)するという,日々の営みがあるわけです.
するとアクセスは可用性に,またクオリティは一貫性に,それぞれ対応づけられます.
残ったコストと分断耐性ですが,Yosyanさんの上記引用のすぐ後に書かれている,「コストに応じたアクセスを提供」をもとに,「通信障害に応じたアクセスを提供」と書くことができ,これによって同等視できそうです.
ここで通信障害について,発生する/しないという定性的な話というよりは,大規模な分散コンピューティングにおいてどこかで発生するのは当たり前であり,その度合いに応じて,何らかの値を返す(通信障害がない場合とは異なる,古い値でもいいので)ようなシステムが求められています.
また分断耐性や通信障害の考え方から見ると,医療崩壊におけるコストの件は,医師らの退職や,大学(医学部,病院)による引き上げによって,適当な数の医師が病院で勤務していないことと,つながってきそうです.
…と,医療と情報通信に見られる3要素を対応づけてみたところで,明るい未来を提案できないのは,はなはだ残念なところです.