わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

「一つ分の数×いくつ分」「いくつ分×一つ分の数」の両方を混ぜて使って掛け算が説明できるのでしょうか?

9月27日に,はてブをしていました*1
検索エンジン経由で,このページを思い出し,アクセスしたところ,ずいぶんとコメントが増えていました.「468. 匿名 2014/10/08(水) 02:33:06」から,議論がなされています.
先頭から読み直して,共感を覚えたコメント*2を拾い出してみると:

99. 匿名 2014/09/26(金) 22:46:06

2×3=2+2+2(2個の物が3つある)
3×2=3+3(3個の物が2つある)
九九と累加の関係を、きちんと教えてもらえたら、ごちゃごちゃにはならないと思う。
国語が苦手な人は式がゴッチャになってるんじゃないかな?
算数には算数の説明がわかりやすいと思う。
…たぶん。

108. 匿名 2014/09/26(金) 22:58:41

99
なるほどね!
7×8=7+7+7+7+7+7+7+7
8×7=8+8+8+8+8+8+8
になっちゃうのか!
一人いなくなってるじゃないの!一人減らしてアメを多くもらってはダメよ!って先生は怒ってるのね(笑)
なんか、スッキリした。ありがとう。

177. 匿名 2014/09/27(土) 00:56:43

算数ってのは系統重視だからね。
既習事項を生かし問題を解決していくんだよ。
掛け算は、足し算からの発展。
何回も足し算するのは面倒だから、掛け算という新しい計算法を使おう。
ってことなわけだから、
7×8(7を8回足す)
8×7(8を7回足す)
では、やってることが全然違うわけだ。
問題文を汲み取り、式を書き、そのうえで、交換法則を使って計算しやすいよう形を変えるなら問題はないんだろうけどね。
式は文章問題通りに書いて、頭の中で交換法則使えば一番安パイなんじゃない?

203. 匿名 2014/09/27(土) 03:47:08

一度二年生の教科書を見てみられては?
かけ算の導入は、ちゃんとたし算をもとに考えるよう書いてあるし、
一つ分がいくつで、それが○こだから、
と練習する流れになってます。


きちんと教えられたうえで、式の組み立てがまちがっていたのだから、わたしは不正解にしてもらいたい。
子どもに論理的に考えてほしいから。


答えが丸になっているだけで十分、子どもが取り組んだことについて認められてると感じます。
誤っているところに×がついたくらいで、算数が嫌いになるとは思えません。

240. 匿名 2014/09/27(土) 10:39:48

210さん、あってますよ。
一つ分×いくつって、3こずつ×4人にと、同じことを言ってます。
あめ3このセットを4人分作るのが自然ですよね。


4人×3こずつが変だ、という話です。
4人のセットをあめ3こ分作ることはないからです。
文で書いても場面が想像できません。

264. 匿名 2014/09/27(土) 12:15:25

式の順番の意味を理解出来ないと、レジ打ち出来ないよ。
だって100円が3つで300円(100×3)を、
3×100で打ったら“3円が100個″になって在庫管理滅茶苦茶よ。これ、パソコンでの在庫管理にもいえるけど。

271. 匿名 2014/09/27(土) 13:09:42

文章題は、答えを導く過程も採点の内なので、文章に沿って数式を作り、また自分が理解していることを採点者に伝える為にも、順番を考えて数式を解答欄に記入しなければならない。解答欄に答えを記入するのは、自分の理解度を相手に伝える事だと学年の小さい時から教えるのも大事。
すべての教科に通じるが、どんなに理解していても採点者に伝わらなければ答えは×になる。それは社会に出てからも、自分の思いをきちんと伝える大事さにつながる。


小学校低学年の、掛け算とは何かを学ぶ時には、やはり順序は大事だと思う。
それらを理解した上で、頭の中で計算しやすい様に順序を逆にしたり、文字式等の文字の順序で数式を表す等、発展していくのだと思う。

274. 匿名 2014/09/27(土) 13:40:29

272さんの言うとおり、これは単にレジのプログラミングの問題で、そうプログラムされてるからその通りにしなきゃならないってだけ。
数字だけ入れ替えたらそりゃまったく違うことにwww
書いて説明するとしたら
100円が3つで300円=3つの商品の単価が1つ100円なので全部で300円
単位も入れ替えれば同じじゃないですか?

384. 理系の夫と息子がいますが 2014/09/28(日) 01:56:00

理解度でわかりやすいのは、お子さんに絵を描かせてみることです。みかん3個を6人に配る場合の個数を求める計算で、お子様が6枚のお皿に3個ずつのりんごを描けるかどうかです。もし、3枚のお皿に6個ずつリンゴを載せた絵を描いたら、教え直した方がいいでしょう。乱暴に考えないようにしましょう。

文系頭がどうだとか、算数嫌いが生まれるだとか、根拠がありません。それと、この手の問題の国際基準はそれぞれです。

(略)

少なくとも、「個数を求める式は、個数×人数」と答えられた方の方が相対的に見ると、あまり感情的ではありませんでした。

繰り返しになりますが、わたしの調べた範囲においては、掛け算の順序の正誤は、文部省に規定されてはおらず、自治体や学校の裁量にまかせられているということらしいです。ですから、ベネッセが×をつけたのは文部省に従うのであれば、ダメだとは思うんです。なので「個数を求める式は、個数かける人数です」と言い切る方々にも間違いもあったかもしれませんが、「答えが合っていればどうだっていい」というほど数学は甘くはありませんよ。先生方だって教材研究をされているのですから(わたしにも教員の経験がありますが、大抵はそれなりに時間をかけた教材研究なしでは授業は務まりません。「答えがあっていればいい」と思う先生もいるかもしれませんが、子供達にどうやって理解させようかがんばっている方も少なくはありません)

408. 匿名 2014/09/30(火) 08:50:57

189は途中の式が抜けてる。


>3人で199円ずつ出しあったら、最高いくら(何円)の物が買えるか
>答え:597円
>式:200×3-3=597
>式の順番を決められた世代は、真面目に199×3してそう。
>日常生活で困りそうだと思いました。


で、以下が、式重視のこちらの考え。


199×3っていうのは正確に式にすると、
199×3=(200-1)×3=200×3-3=600-3=597


189。式を重視する人が199×3を筆算するように真面目にしているって意味?
そろばん習ってなかったら、代わりに電卓持っていくとか?
まさか。
そうではなくて、
上の式、つまり、199×3=(200-1)×3=600-3を理解した上で計算している。
日常生活でも全く困らない。
いちいちその式を日常で書いたりするわけじゃないけど、脳が瞬時にそういう式で計算してるんだよ。
式を重視してきたからこそ瞬時にできる。

426. 理系の夫と息子がいますが 2014/10/01(水) 13:41:35

息子とわたしを交えてちょうど5人。で、全員の皿にお菓子をを分けようとしたら、息子が「ちょっと待って!」と言って、飴の袋を取り出し、1人3個ずつ配りました。そして、友達に

「あのさ、この飴は全部で何個?って式があったら、みんな、なんて書く?」と聞きました。すると、友達はみな、そんな低学年の問題、今更何を聞くんだと言わんばかりで、「3×5=15でしょ」「3個が5人分だから3×5だろ〜」と言いました。みんな息子より出来のいい子達です。全国テストの偏差値でも開成中学に入れそうな。羨ましい。息子はおっとりしてるので無理でしょう。でもとにかく、息子と同じように、個数を求める場合は、個数×人(枚)数=個数って式が定着していました。で、試しに、わたしが「5×3って式にしちゃったら?」と聞いてみたら、「確かに5の段の方が計算は楽かな。でも考え方として全然違う」「式を立てるんでしょ?5×3なんておかしい。ここに皿が5枚あるのに。だったら3枚の皿に5個ずつになっちゃう」と。

高学年の(特に有名私立を受験するような学力の高い)お子さんに聞いてみてください。2年生だと、確かにまだ混乱する子もいますよね。うちの子のときは、学校からのお便りで「かけ算だけは予習させないでください」と、当時の担任から言われていました。丸暗記すると3×5=15というのが、3+3+3+3+3だということの意味がわからなくなるからだそうです。わたしは既に予習させていたのですが、当時の担任と同じ趣旨で、丸暗記はさせませんでした。お皿に何個とか、袋に何個の絵を描いて説明しました。そして、すっかり理解したという時点で、暗記させました。

487. 匿名 2014/10/10(金) 04:19:10

>>486. 468 471 476さん

あの質問してもいいですか?

>一つ分の数×いくつ分で掛け算の説明が可能であるとすれば、いくつ分×一つ分の数でも説明できます。

これはわかるんです。でも

だから「一つ分の数×いくつ分」「いくつ分×一つ分の数」の両方を混ぜて使って掛け算が説明できるのでしょうか?

片方の順序で説明できる。もう片方の順序で説明できる。だとどちらの順序に決めても説明できる。

でも両方の順序を混ぜて混乱が起こらないって保障はないですよね。

日本ではくるまは左側通行です。であるとすれば右側通行にしてもだいじょうぶです。だけど、どっち側通行にしても交通事故が起こらない保障はありません。それと同じことでは?

あと

>正確には掛け算で解決可能な問題のうちに一つ分の数×いくつ分やいくつ分×一つ分が含まれる、とするべきですが。

も同じことでは?「掛け算で解決可能な問題のうちに一つ分の数×いくつ分やいくつ分×一つ分が含まれる」としても、両方が同時に含まれるってことではないと思います。

495. 匿名 2014/10/10(金) 17:22:00

上の方で書かれていた方もいたと思いますが「順序を決める(どちらでも)」ことで算数(数学)が
成立します。固定しないと算数(数学)として成り立たない(論理が破綻する)のだと思います。

なお交換法則は「順序を決めたうえで(どちらでも)」なりたつ法則ですよ。

交換法則が成り立つからどっちでもいいというのはむしろ論理が破綻しています。

論理が破綻する教え方をするのは「目的」以前に「算数教育」でしてはいけないことだと思います。

504. 501 2014/10/10(金) 20:54:52

>>503
(略)

あなたが違います。ここで正しく考えられるということは
 「一つ分の数×いくつ分」と掛け算を導入したときは,リンゴ3個7皿の総数の「求め方」は3×7となって、交換法則を使うなら 3×7=7×3 と式を立てなければならない。
とわかっていることです。(ここまでは最初に言ったことです)


いきなり 7×3 と書いた子はそれがわかっていないからそう書いたのです。それは式そのものからわかることです。


ただし,514の「掛け算の導入でしかない掛け順固定に基づいて、掛け算の意味としては正しい解答を不正解にしていることを批判しています。」に対して,515で「掛け算の正しい意味とは何かを説明して下さい」と質問し,コメントをたどって「掛け算の正しい意味」が書かれていないという流れには,賛同できません.結果論ですが,問うべきだったのは「(514が認識している,ベネッセの問題で7×8でも8×7でも正解とするような)『掛け算の意味』は何か,そしてその意味は,どの範囲で受け入れられているのか」ではなかったかと思います.
発言者はさておき,ベネッセの漫画の出題「あめを8人の子どもにくばります。1人に7こずつくばるには、あめは何こいるでしょう」で,7×8でも8×7でも正解とするような「掛け算の意味」とは何か,思い当たる文献を見直してみました.
まずは黒木特別寄稿*3.そこでは「「かけ算の意味を理解していない」はかけ算の順序強制における最重要の要注意定番キーフレーズである」(p.113)を始め,「(かけ算の)意味」は,批判の対象として現れます*4.また学校教育ではa×bのみが正解とされる場面で,b×aの式については「「8×2=2×8だから,かけ算の順序はどうでもよい」と論理的に正しく考え(略)「2匹のタコがいる状況は2つの8本足のタコがいる状況だ」と考えた「2×8」と式を書くかもしれない。当然これも正しい考え方である」(p.114)という理路をとっています*5
また『数とは何か?―1、2、3から無限まで、数を考える13章 (BERET SCIENCE)』を開いたところ(pp.42-43),「どのお皿にもミカンが3個のっています。お皿は全部で4皿あります。ミカンを集めて大きな袋に入れると、全部でいくつになるか?」という問題文に対し,図のあと,「これを次のように表す。3個/皿×4皿=12個 あるいは、4皿×3個/皿=12個」(「個/皿」「皿」「個」はいずれも下付き)と書いています.その2つのかけ算の式は,「意味」*6というより,式表記の「規約」と思うのが良さそうです.
数学者ら*7の著述を離れて,7×8でも8×7でも正解とするような「掛け算の意味」として,真っ先に思い浮かぶのは「アレイ」です.ガールズちゃんねるのコメントにも,95と326で見ることができます.
アレイによる意味づけが,School Mathematics Study Groupという米国の団体により提唱され,数学教育の現代化運動*8とともに一定の影響力を持ったけれども,1970年代終わりには衰退し,1979年の遠山啓による「「タイル×タイル」というのは,子どもにはなかなかわからない」,1983年のVergnaudによる"The Cartesian product is so nice that it has very often been used (in France anyway) to introduce multiplication in the second and third grades of elementary school. But many children fail to understand multiplication when it is introduced this way."*9へとつながっていきます.この問題は7×8でも8×7でもいいと主張する人々が,そういった算数教育の歴史まで見通せているようには,感じられません.


「「一つ分の数×いくつ分」「いくつ分×一つ分の数」の両方を混ぜて使って掛け算が説明できるのでしょうか?」に対する個人的見解は,次のとおりです:両方を混ぜて使ったかけ算の授業例は,国内外において見当たりません*10.「一つ分の数×いくつ分」で十分です.
アレイの計数で,2通りの式が得られるのは,「一つ分の数×いくつ分」をもとに,「一つ分の数」に2種類の見方ができるからです*11.またレシートで「4X 298@」*12とあったとしても,小学校の算数や中学校の数学では,「298×4」というかけ算の式に表して,単価・個数を確認し,暗算か筆算か電卓で,答えを求めればいいのです.


それからなんですが,398ほかでhttp://www63.atwiki.jp/midnightcorner/がリンクされていました.えっあのWikiを信頼する人がいるのかと,中身を見たところ,長文だし,ずいぶんとノイズ*13がありますが,批判のおかしさを知るには,十分まとまった文章になっているなと思いました.
パー書きや面積が出てくるあたりは,『数学の世界―それは現代人に何を意味するか (中公新書 317)』やVergnaud (1983)を連想します.昨年ツイートした,「一つはこれが日本の算数教育の先進性(日本のアピール下手と合わせて)であり、もう一つは、乗法の構造を探求していくとそこに行き着くのかなとも思います」*14を,引き写しておきます.

*1:同日付の記事 http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20140927/1411770003 では,Togetterのほうにリンクをしたのですが.

*2:記載内容の一部除去,文字の置き換えを行っています.

*3:http://www49.atwiki.jp/learnfromx/pages/122.html.この記事も,そのうちリンクします.

*4:小学校学習指導要領算数編・同解説における「乗法の意味」が華麗にスルーされています.

*5:「かけ算の順序はどうでもよい」という文が,論理的かというと疑問だし,「掛け算の意味」に代わる「正しく考え」「正しい考え方」について,それは何なのかは読み取れず,その考え(ロジック?)が学校教育で受け入れられていないのは推測できるけれど,校外のどのくらいの範囲で受け入れられているのかは,やっぱり想定できません.

*6:この意味づけは,低学年でも苦労することになります.例を挙げると http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20140705/1404486005 で出てくる「3×2倍」や「2mの3倍」を計算する場面,より一般には倍概念(かける数が無次元になるもの)です.それはそれと扱えば良いのだと主張するのなら,累加では「小数や分数のかけ算では同じ説明ができない」についても,学年が上がるにつれて適切な意味づけを行っていけばいいし,実際,累加と拡張による乗法の意味づけが採用されているわけです.

*7:数学者は小学校の算数のことが分かっていない,という主張ではありません.小林道正氏は数学教育協議会会長を務め,算数・数学教育に造詣のある方と認識しています.

*8:wikipedia:en:School_Mathematics_Study_Groupでは,「Sputnik crisis」や「New Math」といった語句も見られます.アレイは,デカルト積で定式化できる点に留意すると,集合論(を小学校で教えること)と密接に関わってきます.

*9:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20121219/1355868481

*10:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20130615/1371274369には2例ですが海外の状況も載せています.

*11:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20120125/1327442079

*12:http://d.hatena.ne.jp/takehikoMultiply/20120919/1348002926

*13:「読み手を選ぶ表現」とも.

*14:http://togetter.com/li/448252