- 作者: 古郡廷治
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/05/15
- メディア: 新書
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本日はwhy/what/howの観点で,主に2点を取り上げます.
論文にせよレポートにせよ,「なぜ(why)」「何(what)について」書くのかの検討が重要になってきます.この点について,p.136では,5項目からなる箇条書きで,手短にまとめられていて,なるほどと思いました.書き出します.
テーマの選択には留意すべき次のような要点があります。
- 目的 ― 文章は目的に適っていなければ無意味です。
- 興味 ― 興味のない文章を書くのは苦痛以外の何ものでもありません。
- 有意義性 ― 書くに値するテーマでなければ書いても無駄になります。
- スコープ(範囲) ― テーマは一般的(広)すぎても特殊(狭)すぎても困ります。
- 時間 ― 文章は締め切*1までに仕上げる必要があります。
特に気をつけたいのは最後の項目で,自分なりに言葉を増やすと,「文章作成の時間は有限であること」への留意です*2.期限までに,自分で書き上げることができ,かつ,読み手に「陳腐」「コピペ」と思われないようにするには,デッドラインを含む上記の5項目を,テーマ選定の際から考慮せよとなるわけです.
ただしこの本において,whyやwhatについて書かれたのは,それほど多くありません.大部分はhowが占めます.
いったん文字にしてみた内容について,どこがまずく,どのように(how)修正・削除すれば,より良い文章になるかのアドバイスが多数,収録されています.
「地位の高いポストにつくことはない」を「高い地位につくことはない」(pp.119-120),「このばかげた社会保障制度」を「この時代に即さない社会保障制度」(p.227)にそれぞれ,書き換える事例には納得です.