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水色表紙教科書における,かけ算の順序問題

  • p.53(コマ番号30):三番の解説に「問題に於て,被乗数が後に来てゐる点で,一番・二番に比し,少しむづかしい感じがするであらう。」について,具体的な出題こそ書かれていない*11ものの,基準量が後に示された問題*12と思われます.
カズノホンの掛算九九学習

教師用でない『カズノホン 四』について,古書で入手可能と分かりました.そこでスーパー源氏に発注をかけ,林語堂より,配送されたものが届きました.
白い机の上に置いて,表紙を撮影.

表紙・裏表紙には,茶色の紙が被さっていますが,画像左下に,水色表紙の片鱗も見えます.ちなみに裏には,この教科書の持ち主と思しき人の学年・組・氏名も書かれていました.
発行年(昭和十六年)ほかは,奥付より確認できます.

さて中身ですが,「×」の記号がはじめて出現するのは,p.21です.

ただし「バイ」の出題はpp.18-20に見られますし,一銭,五銭,十銭がそれぞれ何枚といった形で提示し総額を求める文章がp.3に載っています.
では,基準量が後に示された問題を見ます(p.23).

問題文をテキストにすると,「(3) 七人デ オハジキ遊ビヲ シテ ヰマス。一人ガ 五ツヅツ 出シマシタ。オハジキハ ミンナデ イクツ アル デセウ。」となります.さっそく,かけ算の順序を問う問題に追加しました.
教師用p.53(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1439928/30)に書かれている「三番 「五七 三十五」の九九によつて解決させ得るであらう。問題に於て,被乗数が後に来てゐる点で,一番・二番に比し,少しむづかしい感じがするであらう。」と合致しています.
続く(4)の問題について,5色が5枚ずつと見ると,これも被乗数の数量情報が後に出現すると解釈できます.とはいえ式は5×5なので,かけられる数とかける数の区別をしようがありません.なお,被乗数と乗数が同じ数になる文章題は,緑表紙教科書にタコの足を使った先例があります*1
紙が経年劣化しているのと対比するかのように,カラーが鮮やかなのも見て取れます.色や図の入った他のページも,写真に収めました(pp.51-52).

(リリース:2015-05-01 朝)