わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

情報検索の演習課題

いきなりですが問題です.

(1) 「自分」という言葉の用例(使われ方)を整理しなさい.
(2) これまでにない情報検索サービスを提案しなさい.

先日の情報処理科目では,「情報検索」をテーマとして,前半はPowerPointの画面をスクリーンに表示させ,インターネット検索(サーチ)エンジンやさまざまな情報検索サービス,また音声認識・画像認識やそれらを使った検索などを紹介しました.
そのことを踏まえて,授業後半の演習では,上記の課題に取り組んでもらいました.
それぞれに,意図があります.(1)は,月曜1限の入門セミナーとの連携です.
というのも今から約1か月前,入門セミナーを教科書(『理工系学生のための大学入門―アカデミック・リテラシーを学ぼう!』)に沿って進めていたとき,誰もが知っている言葉を,自分で説明してみようという課題がありました.言葉は「自分」「仕事」「友達」の3つでした.いずれも,社会に出るまでに,自分なりの答えを持っておきたい,重要な語句です.
また多義性という面でも,興味深い用語の選択でした.「自分」は一人称のほか,「自分,宿題やった?」のように,二人称で使うこともあります.中学高校の理科で学習してきた「仕事」の概念も,忘れないようにしたいものです*1
情報処理科目用の教材や課題を作っていまして,サーチエンジンによる検索は,「自分」などの定義だけでなく,その語句がどのような文脈で出現しているかを知るのにも有用なのを,思い出しました.昨年度まで分担していた教養科目で,「四年制大学」と「四年生大学」のどちらが適切かというのを,実演しました.ヒット数の面でも,使われ方の面でも,「四年制大学」のほうが良いという結論になっていました.
などを考えながら,ほしい情報が書かれている1つのページを見つけるというのを超えた,サーチエンジン,そしてインターネットリソースの活用が,できるようになることを期待し,演習課題の1項目としました.10の異なるドメインから集めること,また見つけた順ではなく,意味の似た用例が連続するよう並べ替えることも,合わせて指示しました.
(2)もまた,「検索すれば答えが見つかる」に慣れきっていると,手も足も出ない課題です.上の問題文のみでは,進めにくいだろうなとも思いまして,ヒントをつけました.

  • 解答には「サービスの名称」,「機能」(利用者はどのように検索し,そのサービスは何を返すか),「関連するサービスとその違い」を書くこと.調査したWebサイトのページ名およびURLも記載すること.

このようにして,これまでにないものを提案・考案する中で,既存の(類似した)ものがあるかを調査するという観点で,サーチエンジンを使わせるようにしました.
それでも巡回していると,どうすればいいか分からないという質問を受けました.これまで授業で聞いた内容や,情報検索してきた経験を思い出し,まずは自分なりにサービスを考えてみましょうと,アドバイスしました.

*1:「友達」で多義性を追求するなら,一般論あるいは定義に基づいて友達とはどういうものかというのと,具体的な自分の友達紹介というのが,考えられます.