わさっきhb

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division by a monomialでググったら

昨日,「正方形は長方形」関連でhttp://d.hatena.ne.jp/takehikom/20140827/1409086771にリンクをするツイートがありまして,この件についてこちらがコメントすることは特にないのですが,久しぶりにhttps://twitter.com/dgakane/lists/oooをアクセスすると,単項式の除法について,やりとりがなされているのを知りました.
単項式の除法にまつわる問題,というのは,例えば2a\div 2a(2\times a)\div (2\times a)=1でよいのか,2a\div 2a2\times a\div 2\times aa^2という解釈もできるのでは,ということです.除数は単項式ですが,被除数は多項式の場合もあります.また,2a\div 2aを計算しなさいという,問題提示のしかたが適切かというのも,含まれています.
ちょっと興味深かったのは,https://twitter.com/genkuroki/status/715551280425402370です.そのツイートおよび近辺で,「division by a monomial」をGoogleで検索して結果を見てみよとあります.
実際に検索してみると,多項式(単項式を含む)を単項式でわるという問題を解く際に,最初に分数式で与えているものが多いことが分かります.
ただ,上位でも,http://www.coolmath.com/algebra/05-division-of-polynomials/01-dividing-by-monomials-01からは,(18x^4-10x^2+6x^7)\div 2x^2のように,÷を用い,かつ除数はカッコで囲まない式を見つけることもできます.
10位以内ではなかったのですが,http://www.math-only-math.com/division-of-monomials.htmlにあるように,先に\frac{15mn}{3m}という分数式で計算方法を学び,その結果のあとに「or, 15mn ÷ 3m = 5n」(和訳するなら「これを15mn ÷ 3m = 5nと書く」でしょうか)と,表記のルールを定めるのも,なるほどの進め方でした.
ググれというのはどうしてなのか,分かるでも分からないでもないのですが,こういうときは別の情報源に当たるというのも,やっておきたいところでして,手持ちの本をチェックしました.

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親子で学ぶ数学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド

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いずれもp.165です.英語の本では「Simplifying expressions involving division」,日本語の本では「文字式のわり算」という小見出しがついています*1.ともに6pq^2\div 2qという式から出発します.これを,\frac{6\times p\times q\times q}{2\times q}という分数の式に書き直してから,約分して,3pqを得ています.
また最初の式の2qについて,英語の本では「this means 2×q」,日本語の本では「2qは2×q」が添えられています.だからといって,6pq^2\div 2q6\times p\times q\times q\div 2\times qとする展開にはなっていません.
とはいえこれだけだと,その本における,単項式の除法に関する見解でしかありません.あとは水準のさまざまな,Web上の情報*2に限定することなく,もっと広範囲な対象を調査・整理することですが,批判する人はそんな作業をいやがるんでしょうね.
単項式の除法にまつわるツイートですが,https://twitter.com/metameta007/status/715584113579728896に賛同します.さまざまな情報源をアクセスしてきた方と,「ググれ」(意訳するなら「俺の言う通りにせよ」でしょうか)しか根拠を出せない方との差かなとも思います.
それと,「〜に書かれているのを見よ」という指示によって,そこに書かれていないことを見つけにくくする効果もあります.ということに気づいて…
検索して見た範囲内で,「2a\div 2a2\times a\div 2\times aと解釈される可能性があり曖昧なので避ける」という趣旨の記述が,どこにも出てきません.
個別の出題・計算の事例から離れ,数学教育や数学の解説において,もし,その種の断りがなされていれば,2a\div 2aといった表記をしない方向に働きそうなのですが.

(最終更新:2016-04-01 晩)

*1:多項式や単項式という表現は,出てきませんが,p.164の(日本語の本の)「同類項」について,英語ではlike termsとなるのは,一つ勉強になりました.

*2:検索結果のページで,失念したのですが,カッコをつけない多項式÷単項式という表記も見かけました.だからといって「こういう書き方もあるんだ(認めるべきだ)」というわけにいかず,何らかの基準での選別が,必要となってきます.