「お,うえの子よ,勉強してて,休憩中か?」
「なに,パパ?」
「いや,ちょっと面白い情報をネットで見つけてやな」
「ふうん」
「最近,CD鳴らして,ABCの歌を,さきの子とあとの子が聴いてるやろ」
「うん」
「あの歌にな,前々から気になってたところがあってん」
「…」
「A-B-C-D-E-F-G♪ はいいとして,次や」
「次?」
「H-I-J-K…のあと,LMNOP(エレメノピー)って歌ってるやろ」
「そやで」
「あれなあ…パパが中学のときの歌は,H-I-J-K-L-M-N♪やってん」
「へえ…なんでなん」
「どうやらH-I-J-K-L-M-N♪は日本式らしく,ABCの歌としてはH-I-J-K-LMNOP♪が正式らしい」
「何かあるの?」
「その後は,Q-R-S♪んでT-U-V♪だ〜ぶ〜りゅ〜and X-Y-Z♪なんやが…」
「…」
「ここまでをな,2小節ずつに分けて,最後の文字を拾うとな…A-B-C-D-E-F-『G』,
H-I-J-K-LMNO『P』,Q-R-SはいいとしてT-U-『V』,うにゃうにゃうにゃ,ほんでX-Y-『Z』や」
「(笑)」
「うにゃうにゃうにゃがおもろかったか.しっかり聞いてや.G(ジー)もP(ピー)もV(ヴィー)もZ(ズィー)もな,『イー』って言い方,してるやろ」
「うん」
「ということで,韻を踏んでたんやなこれ!」
「いん? ふんでたん?」
「そんなんは学校で習ってないか.う〜ん,難しいなあ」
「何か歌,作ってくれる?」
「即興で作るのは,難しいが…あ,思い出した」
「歌って,歌って!」
「ほないくぞ…キャンドル♪ハンドル♪サドルにペダルに自・転・車 こいどる〜♪」
「(笑)」
「たぶん韻を踏んでるところやのぉて,パパの必死な歌い方で笑ろてくれたんやな」