いきなりですが問題です.
1本40円の鉛筆と1本100円のボールペンを合わせて50本買ったところ,購入した鉛筆とボールペンの金額の比は8:5になりました。購入したボールペンは何本ですか?
元ネタは以下の雑誌のp.21です.
プレジデントFamily (ファミリー)2019年 1月号 [雑誌]
- 作者: プレジデントFamily編集部
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2018/12/05
- メディア: Kindle版
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ところでプレジデントFamilyは小学生を持つ親が読者層となっています.そこで方程式というのは,少々驚きですが,本文では,学習塾に入って算数を苦労するようになった息子に,父親があえて方程式を教え,「自信を持つことができ、成績が急上昇。中学受験では志望校に見事合格した。」と進展しています.
面積図や方程式のところを,手で隠して,頭の中で検討してみました.金額の比が8:5なら,本数の比は(8÷40):(5÷100)で,簡単な整数の比にすると4:1です.このとき,鉛筆とボールペンの和と,ボールペンとの本数比は,5:1となるので,5:1=50:□にあてはまる□は10,答えは10本となります.
問題文と解答は以下の通りでした.面積図で解く場合,鉛筆だけの購入金額(に対応する長方形の面積;以下略)とボールペンだけの購入金額と別に,丸囲みで12としている「空き」領域に気づけるかどうかが,重要となっています.
ところで方程式(比例式)に違和感を持ちました.鉛筆の数をx本,ボールペンの数をy本とした次の,「40×x:100×y=8:5」の行です.この左辺について,比の記号と,乗法記号との優先順位はどちらが高いかは定まっていないように思うので,「(40×x):(100×y)=8:5」と書くのがよいのではないかと,思ったのでした.
wikipedia:比やwikipedia:比例式を見ても,「40×x:100×y」に類似した式の表し方は,出現しません.
もう少し,探索の手を広げてみたところ,比例式(分数,小数,(かっこ)のついた問題)の解き方に,を見つけました.すなわちカッコなしです.また中学1年生 数学 方程式の活用・比例式 練習プリント 無料ダウンロード・印刷|ちびむすドリル【中学生】の,方程式の応用(2)には,「8:(x+1)=4:5」と,たし算の式をカッコに入れていました.
これらから,比の記号(:)の優先順位は,乗除の記号(×と÷)より低く,加減の記号(+と-)より高いと推測できます.
なのですが,「(40×x):(100×y)=8:5」の式を見直してみると,中学1年の数学では「40x:100y=8:5」と書くことで,カッコが不要となるのでした.「(8÷40):(5÷100)」のほうは,です.
今回取り上げた雑誌には,かけ算の順序を含む文章題が載っていました.詳細はボートが5そう―プレジデントFamilyに見る,かけ算の順序 - かけ算の順序の昔話をご覧ください.