昨日は前期授業の初回でした.1限に1年ゼミ,3・4限に3年生向けプログラミング科目がありまして,本記事はプログラミング科目のことを書きます.
内容は,昨年度に引き続き「Java技術をベースにしたWebアプリケーション開発」です.しかしながら,学生そして教員の開発環境が大きく異なります.昨年度までは,演習室(計算機室)に80台置かれた,WindowsとLinuxのブートが選択できるデスクトップPCを使用し,Linuxのコマンドラインでコンパイルやサーバ管理などをしていたのですが,そのPCは,学生使用も教員用も,2月に撤去されました.
そこで(十分な準備期間のもと),BYOD PCを持って来てもらい,そこに開発・実行のためのソフトウェアをインストールすることにしました.担当科目では,Pleiades All in One Eclipse(http://mergedoc.osdn.jp/)です.JavaとTomcatが入った最新版のFull Editionは,zipで1.6GBほどになります.授業で使用しない機能・ファイルもあるのは,もちろん想像できますが,JREやTomcatのバージョンを切り替えるのが容易なのと,いわゆるインストーラを使用せず展開してeclipse.exeを実行したら起動できるという手軽さから,採用したのでした.
「十分な準備期間」と書きましたが,他の科目(3年生が1年後期に経験したのでした)で痛い思い出があります.7週の体験演習で,自担当の第4回・第5回を無事に終えて次の先生にバトンタッチし,その第6回でインストール作業が思うようにいかなかったとおっしゃるのです.インストールしたのは,Windows用のPythonです.ダウンロードサイトを見に行くと,500MBとありました.
500MBを,数十人が一斉に学外アクセスというのは,スムーズにいくわけがありません.そうして第7回と,翌年度の同じ回では,インストーラを入れたUSBメモリを何個か用意し,授業で使ってもらったのでした.
自分の科目でも,複数の方法を提示しどれか一つの方法で,pleiades-2019-03-java-win-64bit-jre_20190324.zipを取得すればよいとアナウンスしました.上述の学外ページは,URLとダウンロードの対象を書いた上で,「(推奨しない)」を添えました.学内で2箇所,ダウンロードできる場所を用意しました.このzipファイルを入れたUSBメモリを3つ,SDカードを1つ,用意しておき,授業中に使ってもらいました.
BYOD PCでコーディング*1をする授業は,受講者にとっても,自分自身にとっても,初めてのことです.いくつか想定内,想定外の事態があり,一つ一つ対応しました
- BYOD PCを持って来ていない → 帰宅してPCを取ってくるか,開始時の説明を聴いておいて課題タイムになったら退室し,時間外に取り組んで提出するかを,選んでもらいました.
- 編入学で大学Moodleにログインできない → 課題タイムになったら手段を考えますのでそれまでにメールを送ってくださいと指示しました.課題タイムに入ったら,本人から申し出があって,大学Moodleにログインできるようになっていました.
- Eclipseインストール済み → zipファイルの展開を,Cドライブ直下ではなく,デスクトップとし,これまでのとこの授業とで,Eclipseを使い分けるよう指示しました.
- Macユーザ → Pleiades All in One EclipseのMac版をダウンロードしてもらいました.
- 展開ができない → zipファイルの右クリックで「すべて展開」が出ないので,デフォルトの書庫ソフトを確認してみると,Lhaplusでした.これをオフにし,「すべて展開」ができるようになりました.
- 展開に時間がかかりすぎる → C:\Program Filesに展開していた学生には,一度キャンセルして,デスクトップに展開してもらいました.他の学生は,作業終了まで「1日」と表示していて,授業どころか帰宅のときにも処理していないといけないのかと思いながら,よい解決策は見出せず,一時停止を入れてスリープするようにしながら,とにかく展開することを指示しました.
インストールと別に,バッテリが切れそうという相談を受けました.1人だけ,生協モデルではないノートPCを持参していた学生には,たまたま,TAが持参していたPCのACアダプタが使えるということで,3限だけ使わせました.生協モデルで苦情を訴える何人かに対しては,バッテリが数%になるまでは課題を行い(こまめに保存し),あとは授業時間外に実施するよう伝えました.