わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

毎年話す,PowerPointの小話

  • PowerPointで表示させる1画面分のことを,「スライド」と言います.なぜスライドというのかというと,20世紀によく用いられた「スライド映写機」がもとなのです.
  • 「プレゼンテーション(presentation)」に関連する語として「プレゼント(present)」があります.逆にプレゼントから話を始めるとすると,プレゼンテーションは,聞き手に,情報をプレゼントすることだと言えます.
  • 「プレゼンテーター」は和製英語です.発表者のことは「プレゼンター(presenter)」と言います.
  • 自分の専門分野あるいは持ちネタで,プレゼンを依頼されたとします.その際,持ち時間が「5分」と「1時間」とで,どちらが簡単かというと,「1時間」のほうです.というのも,事前に話す内容を作り込まなくても,大枠を用意しておいて,本番では聞き手や自分の状態に応じて,脱線したり,逆に言う予定だったことをスキップしたり,できるのです.一方,「5分」となるとそうもいきません.事前にスライドを作り込み,何度もしゃべる練習をして,本番に臨む必要があり,手間を要するのです.
  • PowerPointで「新しいプレゼンテーション」を選ぶと,横長のスライドが表示されます.幅と高さの比が16:9です.画面表示には,このほうが良いのかもしれませんが,印刷すると,上下に余白ができてしまいます.メニューの「デザイン」タブから,「スライドのサイズ」を「標準 (4:3)」に変更すると,印刷に適したサイズになります.
  • それと,最近のPowerPointのデフォルトのフォントは「游(ゆう)ゴシック Light」となっています.これ,線が細いため遠方からだと読みにくく,また古いPCでは,インストールされていない可能性がありまして,プレゼンテーション用のフォントには良いものではありません.少々古いのでも問題なく表示させようとすると,「MS Pゴシック」をお勧めします.ただしそれぞれのスライドで,フォント変更をしてはいけません.メニューの「表示」タブの「スライドマスター」を選択すると,メニューの中に「フォント」というのが表示されまして,そこから,一括変換できます.
  • テキストボックスの編集には,2種類があります.
    • テキストボックスの内部で,クリックすると,テキスト,より正確には書かれている内容の編集が行えます.上下左右のキーで,カーソルが移動する。カーソルは,点滅する縦棒として表示されます.BackSpaceキーを押すと,カーソルの手前の文字が削除されます.
    • テキストボックスの外周部分をクリックすると,テキストボックスを選択することになります.上下左右のキーで,テキストボックス全体が移動します.それと,BackSpaceキーを押すと,テキストボックスそのものが削除されます.
  • 「何を話すか,見せるか」と同じくらい,「何を話さないか,見せないか」を決めるのは,プレゼンテーションの準備において重要な作業です.削除するのが不安なら、非表示スライドにするか,ファイルを複製しましょう.将来使うかもしれなくて,そのために複製を保存することを,バックアップと言います.
  • PowerPointにおいてアニメーションとは,切り替えの視覚効果のことです.メニューの「アニメーション」タブを押すと,いろいろな視覚効果が使えるのですが,私自身が授業や研究発表で使うのは,「アピール」と「ワイプ」くらいです.ワイプは,選んだあとで方向を指定することができ,見せ方を考慮して「左から」か「上から」にするといいでしょう.
  • スライドの説明文は,「体言止め」または「である体」で書きます.しかし話す際には「です体」にします.
  • 方言は使わないようにしてください.「できひん」「できやん」は,それぞれ大阪と和歌山の方言であり,「できない」と言う必要があります.
  • 専門用語は,使ってはいけないわけではありませんが要注意です.専門家ばかりのミーティングで,その全員が知っている用語を使う方が効率良く,誤解されずに伝わる場合には,専門用語を使うべきです.しかし近年ではそのような場面は非常に少なく,専門家どうしであっても,重要な用語は,背景のところでその意味や必要性を断っておくことが大事になったりします.
  • 和歌山以外の人に,見て聞いてもらうことを想定して,和歌山についてのプレゼンテーションをするのであれば,最後に書くべきなのは,細かい表現はみなさん違っていてかまいませんが,「和歌山にお越しください」になるはずです.そしてこの結論に向かうように,あらゆる情報を構成し,各スライドを見直しながら,不要な情報は取り除くことを考えてください.