- 第1回: パスワードの字種を,ASCII文字だけでなく,Unicodeの文字にまで広げれば,字数が少なくてもパスワード空間が大きくなって,より安全にできるのでは?
- 第2回: コンピューターを使わない自分には,脅威や,セキュリティなんて関係ない!
- 第3回: 暗号系のブロック図に「盗聴可能な通信路」とあるが,これが「改ざん可能な通信路」だったら,前後の処理(「暗号化」「復号」)は何に置き換わるのだろうか?
- 第4回: GCM(ガロア・カウンター・モード)もブロック暗号のモードだろうか?授業で紹介されたブロック暗号のモードと何が違うのか?
- 第5回: アルゴリズムにおける「入力」と「出力」は,中学の数学の証明問題の「仮定」と「結論」のようなもの?それとも,プログラミングの「引数」と「戻り値」のようなもの?
- 第6回: RSAは,鍵長を大きくすればいくらでも安全にできる?
- 第7回: 一方向ハッシュ関数は,第三者証明・否認防止できるの?デジタル署名は?どうして?
- 第8回: Superfishが認証局になりすますって,それで何が悪いの?
- 第9回: メールアドレスが変わったら,PGPの鍵ペアは作り直しになるの?
- 第9回: PGPでは,異なるメールアドレスで同一の鍵IDになる可能性もあるのでは?それでも大丈夫なの?
- 第10回: サーバにファイルを暗号化して送りたいとき,FTPSとSFTPのどっちがいいの?
- 第11回: 「IDSは監視カメラ」「ファイアウォールは門番」では違いがわかりにくい.どういうこと?
- 第12回: 結局のところ,ビットコインは安全なの?
- 第13回: ビットコインのブロックチェーン(を持つ計算機)が結託したら,ビットコインを支配できてしまう?
- (第14回は実施せず)
- 第15回: コンピュータ犯罪の容疑で逮捕されても,無罪になったのなら,何も変わらないってこと?
なにこれ
今年度のセキュリティの科目では,第14回を除く各回の授業に「検討課題」というスライドを設け,配布資料に入れました.検討課題は,各回の内容に関連する,調査課題と,「回答しなさい」の課題で構成し,基本的には1問ずつですが,上記の第9回のように複数を記載した回がありました(調査課題についても,複数挙げた回がありました).
この科目で2単位を修得するには,レポートを提出して試験もきちんと解答して合格点に到達するだけでなく,授業時間の倍の時間を「授業時間外学修」に当てることを,シラバスに明記することになりまして,この授業時間外学修をしてもらう,取っかかりとして,検討課題を用意したのでした.
調査課題は,授業中の関連するところで「資料の最後,『調査課題』のところを見てほしいのですが」と言ってから間を取り,問題を読み上げました.「回答しなさい」の課題は,基本的に読み上げていません.授業後に,PDFファイルをMoodleでダウンロードできるようにしましたが,試験の出題には使用しませんでした.
なのですが,第15回の上記課題については,授業中に回答をかいつまんで説明していました.逮捕(被疑者として身柄を拘束)または検挙において,PCや携帯端末などが押収され,それらの使用そして通信ができなくなることは,のちに裁判で無罪となるか,嫌疑不十分で釈放されたとしても,一時的に,普段の生活を大きく変えるものとなります.
報道や,ネットでの流布を通じて,社会,あるいは報道を見聞きした人々の認識を「変える」ことも,もちろんあります.社会を変えるために犯罪行為をする必要はなく,事例を熟読しながら知識を得るとともに,認識を「変える」こともまた,授業中そして授業時間外に,実施してもらいたかったのでした.