某年月日,親類が集まってハイキングに出かけました.
参加者の最年長は,実家の母(あっちのおばあちゃん)でした.我が家からは,さきの子・あとの子・すえの子,それと自分が参加しました.
目的地までの真ん中あたりで,座るところがあったので休憩を…
なのですが,飲み物を持ってくるのを忘れました.
そうすると,「あんたにずうっと持たせてるのん,飲み物やで,子どもらに飲ませたり」と母から言われまして,小さなかばんに目をやりました.クーラーバッグです.中には,ペットボトルが2本,入っていました.
子らに渡したところ,キャップを開け,喜んで飲み始めました.中は薄い黄金色の氷と水です.実家の母は,あらかじめ凍らせておいて,クーラーバッグに入れ,持ってきた,ということのようで.
周囲に目をやってから,子らの状況を見ると,さきの子が足をばたばたしています.こちらを呼んでいます.
「何やねん,さきの子よ」
「パパさあ,これ,ジュースとちゃうやん」
「ん? パパは飲んでないが,それ,お茶やろ.煎茶」
「いやいや,あっちのおばあちゃんに限らず,グレープフルーツジュースを凍らせて,こんなとこに持ってくるわけないやないか」
「前にパパが言ってたさあ,『山の水はひと味ちがう』を思い出したやんか!!」
「せやから,あの件と違うって!」