わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

鉛筆削りを取ってくる

 部屋が,にぎやかになってきました.
 自分はPCを使い,子らは机に向かって勉強する部屋です.さきの子・あとの子・すえの子が席につき,お目付役のママも来て,ちゃぶ台の上にコップを置いて,座布団の上に座りました.窓を閉めてクーラーを入れると,ほどなく人工的な冷気が吹いてきました.
 仕事の目処が立ったので,休憩をとろうと,ベッドの部屋に行くことにしました.タブレット端末を持って,ゴロンとして使います.眼鏡も,外しました.
 立ち上がったところで,子らからの声は半ば,叫び声でした.
 鉛筆削りがないというのです.
 そして立ち上がったパパに向けて,取ってきてと言い出しました.
 あいわかったと言い,タブレット端末をベッドの上に置いて,階段の明かりをつけずに降りて,知っていた場所に,手回し式の鉛筆削りを見つけました.
 手に取って,重みを感じました.裸眼でも見えるよう,間近に持ってくると,削りかすで一杯になっていました.
 ビニル袋に入れとこかな,と,勝手口の方へ行くと,うえの子とすれ違いました.この子だけは1階で寝ます.
 勝手口に近い部屋の明かりをつけると,3秒で消されました.うえの子です.まだ寝る時間ではなかったのですが,明るいのが好きではないのでしょう.
 勝手口のそばにある箱をがさごそして,小さく丸められたビニル袋を左手に握りました.右手は鉛筆削りを持って,暗いまま,踏み外さないよう注意しながら階段を昇り,ママと子らの待つ部屋へ行くと…
 浴びせられたのは「パパ,何もってきてるの」でした.
 左手の,小さく丸められたのを広げると,外出し用のゴミ袋だったのでした.この大きな袋に,削りかすを入れるのは,馬鹿げています.
 室内を見回すと,ラ・ムーで購入したときのレジ袋を,畳んでいたのがありました.勝手口で物色する必要はなかったのでした.