学会発表の前日，昼食中の口内の異音から，話が始まります．
1ポンドステーキをナイフで切っていき，フォークで刺して，レア肉を口の中に入れて，噛んだときに，奥歯が割れたような音がしました．
歯を飲み込まないようにして，肉を飲み込みました．水で口内を軽く洗浄してから，周囲に気づかれないように口を開け，左の下の奥に，指を近づけてみると，歯がありました．
浮遊しているかのようでした．
もう少し触って，分かったのは，1つの歯全体ではなく，外側の部分でした．その根元がまだ，歯ぐきにくっついているため，取れないのでした．
ここの奥歯は，職場で食事中にポロっと取れてしまったのを，思い出しました．歯医者で診てもらうことなく，数年が経過しています．水などが入っても，しみません．米粒くらいが入る，穴ボコができており，自宅での食事の後には歯を磨くようにし，それができないときには，口を閉じてうがいをするようにしていました．
それはさておき，少し引っ張ったくらいでは取れない，この歯の一部分に，まる1日，苦労しました．肉など，固いもの・熱いものがそこに当たると，歯ぐきが痛みを主張します．いろいろ飲食物を試したところ，液状のものや，カップ麺など柔らかいものは，熱い冷たいにかかわらず，大丈夫なことも分かりました．しかしそれらで食事を済ますわけにもいかなかったので，要注意な食べ物を口に入れたときには，右の歯で噛むようにしました．
会話については，支障ありませんでした．
発表を済ませ，研究室の学生の発表も無事に終わって，会場を離れて昼食をとりました．餃子を何口か食べたときに，奥歯の破片が，歯ぐきからはがれた感触を覚えました．
向かいに座っている学生に気づかずに，というわけにはいきませんでしたが，破片を取り出して紙ナプキンで食べカスを取り除き，もう1枚，紙ナプキンを取り出して包み，ペンケースに入れてから，経緯を話しました．
