何とも表現しがたい読後感でした.
あらすじは,問題少女:阿部重夫主筆ブログ:FACTA onlineをご覧ください.
とはいえ,この本の読みどころを自分なりに考えてみると,次の二つになりそうです.
- 二者関係の変化*1を,どのように受け止めるか.
- 親しい人の死を通じて,これからも生きていく自分は何を学ぶか.
そして,この2点の著者なりの結論は,p.267の,以下の「発言」ではないかと思います.
「以前は,自分の全てを分かってもらえなければ理解しあっているとはいえない,私は自分を偽って他人と付き合おうとしているって考えていたけれど,そうしているうちに,だんだん,人にはいくつもの顔があって全てを理解し合えるなんてありえないと思えるようになったかな」
この引用部,私はというと,学生(大学・大学院)生活を振り返ることで,この認識に共感できます.大学に入るまでにこれを読んでも,ぴんと来なかったでしょう….
主人公レイカの16〜20歳のことを綴っていることもあり,大学生や,受験生の息抜き*2におすすめできる本…かというと,いくつかの反社会的行為antisocial actsが,ときどきどちらかというと肯定的に書かれているところには注意をするしないといけませんが,それは「カウンセリングのため,そうせざるを得ない」と思えば*3,あとは引っかかることなく読めるではないかと思います.