わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

ニーズ志向かニーズ指向か

研究室で,ある学生が送ってきた文章の中に,「ニーズ思考」「シーズ思考」と書かれていて,ちょっと困りました.
それぞれ「ニーズ志向」,「シーズ志向」に修正すべきでしょう.
いや,「ニーズ指向」と「シーズ指向」だったか.
こういうときは,3種類の検索で比べてみましょう.

まずは,Google.もはやリンクを張る*1必要もないでしょう.それで,結果ですが…

  • ニーズ志向 に一致する日本語のページ 約 795 件
  • ニーズ指向 に一致する日本語のページ 約 691 件

次は,SPACE ALCの「英辞郎 on the Web」です.対応する英語表現がなければ,国際的に通用しない可能性もありますので.
「ニーズ志向」でも「ニーズ指向」でも,見つかったのは1件ずつでした.

  • ニーズ志向型 needs-oriented
  • ニーズ指向アプローチ needs-oriented approach

最後に,CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所.学術の分野で,どんな用語がよく使われているかが分かります.簡易検索のフォームで,細かい設定はデフォルト(初期状態のまま)でいいでしょう.

  • ニーズ志向 該当件数は6件です。
  • ニーズ指向 該当件数は11件です。

さてこの結果から,どちらにしましょうか…どうやら,一方が適切というものではなさそうです.CiNiiの検索結果が6件と11件というのは大きい差に見えますが,これはいずれも少なすぎるととらえるべきでしょう.Google結果の件数の差は,この数なら当てになりません.SPACE ALCは「どっちでもいいIt doesn't make any difference to me.」としか言いようがありません.
しかし学生に伝える際に「どっちかにしたほうがいいよ」というのは混乱のもとなので,まあ字面から「志向」を選びまして,最終的に,学生に『「ニーズ思考」ではなく「ニーズ志向」ですよ』というメールを送りました.

*1:「リンクを張る」と「リンクを貼る」のどちらがよいかというのもよく話題にのぼるなあ,と思って検索したところ,1位はいずれもhttp://www.gamenews.ne.jp/archives/2006/02/post_511.htmlでした.