発端は
ステート・マシンをもつ実際のプログラムでは,システムの設計やプログラムのディバッグが進むにつれ,状態値やイベント値の増減がよく発生する.
(ここが変だよC言語 下, p.39)
上の引用の前後で,列挙型の効用を説いています.例を含めて,なるほど納得の主張なのですが,上記の「ディバッグ」に視線が止まってしまいました.
debugのことを「デバグ」と書くのは,見たことがありますが,「ディバッグ」は初めてなもので*1.
もちろん通常は「デバッグ」でしょう.ということでGoogleで調査:
- google:デバッグ: 約3,020,000件.
- google:デバグ: 約127,000件.「もしかして: デバッグ」が表示されます.
- google:ディバッグ: 約157,000件.ただし上位は,リュックサックばかりです.よく見ると「デイバッグ」です.検索語の最初と最後に「"」をつけ,「"ディバッグ"」で調べると,約27,000件に減りますが,依然としてリュックサックのページです.
規格は
JIS Z 8301 : 2005*2で「ディ」への言及があるのは,G.6.2 (p.58)です*3.
3) 外来語ティ,ディは“テ”,“デ”と書く.
例3 ステッチ溶接 (stitch welding) ステッチ (stitch) デポジット (deposit)
とあって,原則はディではなくデなのかと思っていたら,その数行前に
a) 外来語の表記に一般的に用いる仮名(長音記号を含む.)は表G.1に示すものの中から,その外来語の原語に最も近い音(以下,“外来音”という.)に対応する仮名を選ぶ.例外として,次に示す慣用があって,上記によることが適切でない場合には,その慣用による.
発音は
- http://www.m-w.com/dictionary.htmにアクセスして,検索窓に「debug[Enter]」を打ち込む.
- 「Main entry: de-bug」の横にスピーカーのマークがあるので,これをクリックする.
- 発音を聴ける.
カタカナで表すなら「ディ・バーッグ」でしょうか.
これを根拠にしてdebugのことを「ディバッグ」にするのもありかもしれませんが,「デバッグ」はもはや慣用なので,こちらに従っておきましょう.
ということで「ディバッグ」の検討はここまで.
「ディ」を使う言葉は
今日一番時間をとって調査したかったのは,どちらかというと「ディ」で書くような外来語にどんなのがあるかなのですが,書いている私自身も,気力が減ってきましたので,思いつく言葉を並べていくことにします.慣用in common useかどうかは分かりません.カッコつきで「デ」表記のものは,それも見かけるなあというものです.
- deと綴ってディと表記するもの
- diと綴ってディと表記するもの
上記以外では,たぶん迷うことなく,de と綴るものには「デ」,di には「ディ」です.例外や,気になるものが出てきたら,また追加していくことにします.
*1:誤記や誤植というのではなさそうです.ページをすぐに挙げられませんが,この本の中で,他にも「ディバッグ」を使用していたところがあったはずです.
*2:この規格を見つける際,見かけた情報: 例えば、「コンピューター」ではなく「コンピュータ」、 「サー… - 人力検索はてな
*3:もっと調査するなら,p.57に書かれているとおり,『“公用文書作成の要領(昭和27.4.4内閣閣甲第16号依命通知)”及び“学術用語審査基準(平成4.1.10改正,学術審議会学術用語分科会)”』にまで遡らないといけないのですね….
*4:表G.2は「外来語を原音に近く書き表そうとする場合の表記に用いる仮名」で,こちらにはヴのつく仮名すべてと,イェやドゥなどが入っています.