わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

口頭発表したらいただいたもの

無事に研究発表を終えました.
内容はというと,去年12月のじんもんこん発表をベースとして,作業モデルをもう少し検討し,定式化を加えました.もう少し具体的に書くと,漢訳仏典のデジカメ撮影画像があって,そのテキスト化(翻刻,transcription)をしたいとき,1文字ずつ文字起こしをするなんてのは非効率でやる気なし,だけど,既存の類似したテキストデータを編集して作れば効率的じゃないか*1,でWebアプリケーションを作ったんですよ,そのテキストデータの管理には,DBMSじゃなくてバージョン管理システムSubversionを使ってみました,といったところです.
「既存の類似したテキストデータ」は,今回も,CBETAです.じんもんこんでは毎度,SATを引き合いに出されているのですが,投稿時期の事情できちんと比較できなかった,ということでご容赦ください.
セッションは,10時から11時半までの時間が割り当てられていました.私は3番目です.90分で3人なら一人30分かというとそうではなく,みなShort Paper*2ということで20分でした.さらに,最初の発表者が不在で,1人目は発表を10分,質疑を入れても17分程度で終わってしまいました.
私はというと,Conclusions(結論,あるいは,まとめ)のスライドに移る直前に座長より「まとめに入ってください」と言われたこともあり,話すだけで15分オーバー,もしかしたら20分に迫っていたのかもしれません.質疑は,日本人参加者から1件でした*3.10時50分には終わりました.
次のセッションは定刻に開始しました.Full Paperが3人で,しかも1件,時間超過があったため,予定を10分オーバーし,昼食のパエリアにはありつけませんでした.
さて今回,セッション開始前に,座長の方から,1枚の書面をいただきました.

Official Certificate」と題するもので,私の氏名と所属と国名,会議名と実施日時・場所,発表タイトル,そして「発表したことをここに証す」という旨の文が書かれています.右下には,学会(INSTICC)の刻印と,主催者のサインが入っています.
手っ取り早く言えば,発表証明書です.
これまでこういう書類を受け取ったことがなく,この会議ってしっかりしているんだなあと思ったのですが,少々考えて,おそらくこれはno show対策なのだと理解しました.
Googleで調べたところ,もともとno showは,飛行機やホテルなどで,予約したのにやってこなかった人,要は「すっぽかした人」の意味です.
国際会議では,査読に通って予稿集に掲載されたけど,会議の場で発表をしなかった人を指します.載ったらそれでOK,と考える人がいるのか,出席できなかった致し方ない事情があったのか,ともあれ口頭発表やそれに伴うディスカッションがない,というのは運営においてまずいことです.
2年に一度,お世話になっている国際会議でも,この表現を見ました.

At least one author from every submission accepted to be published is obliged to register and attend the conference. Papers of authors which will not attend the conference will be deleted from the conference site and will not be considered for publication in the special issues after the conference ("no-show papers").

JCKBSE'10 :: Kaunas, Lithuania, August 25-27, 2010

より厳しい態度をとっている事例もあります.

今回の発表論文はすべて論文データベース IEEE Xplore に掲載されることが決まっています。ただ,No Show の論文は IEEE に渡さず,Xplore に載りませんよ,というアナウンスをあらかじめしておいたので,それが効いたのかもしれません。「それなら仕方ねぇ,行ってしゃべるか....」と思った人がいるかどうかわかりませんが,何はともあれ,今回の会議は大成功です。本当は発表キャンセルの論文を除いたProceedingsのCD-ROMをIEEEに送ろうと思っていたのですが,キャンセルが1件もなかったので,会議のCD-ROMをそのまま送って任務完了の予定です。(略)

コジマのボヤき Returns: No No Show!

もう少し古い事例も,知ることができます.

今回の会議のno show対策として,推測したのは,こうです.会議に先立ち,全発表のOfficial Certificateを作っておきます.Chairの方のサインの労力も,大変なものです.ともあれ事務局は,各セッションの座長*4に,発表者分のOfficial Certificateを渡します.座長は,発表した人に渡し,発表に来なかった人の分は事務局に返却します.そうして,誰が発表しなかったかの明白なエビデンスが残るという次第です.

*1:それと,元のテキストとの比較ができるというのは便利じゃないか,という考え方もあります.

*2:Foreword(前書き)では,この表現を用いていませんでしたが.

*3:英語でやりとりし,セッション終了後に名刺交換して日本語でやりとりしました.自分なりに時間をやりくりして,準備をしたのですが,さっぱりでした.次回への糧としたいと思います.

*4:学識があるだけでなく,事務局から十分に信頼されている人を選んだのでしょうね.