わさっきhb

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依頼の手順

複数人に同一内容の依頼をするときの手順を,書いてみました.

  1. 計画を書き出す
  2. 依頼する
  3. 返信を管理する
  4. 再アナウンスする
  5. 結果を整理する
  6. 後始末をする

計画を書き出す

自分の発想によるのか,もしくは何らかの依頼を受けて,複数人に同一内容の依頼をするとなったら,最初にパソコン上でフォルダを作ります.フォルダ名は「実施完了予定日-件名」の形式にします.実施完了予定日はYYYYMMDDの形式の8桁で,件名は日本語で書きます.
フォルダを開け,次にするのは,計画のメモ作りです.ファイル名は何でもいいのですが,「0000計画.txt」とすれば,他のファイルと間違われることはなく,またファイル一覧で比較的上位に来やすいと思います.
このテキストファイルの中で,次の2つの情報を整理します.

  • 実施計画
  • 依頼文案

そもそもなぜ,いきなり依頼するのではなく,フォルダや計画のファイルを作るのかですが,それは,誰に依頼をしてその中で誰から返信を受け取ったかを,適切に管理するためです.そもそも,依頼すれば誰もが応じてくれるものではありません.質問が来たときの対応や,期限までに返答がない場合の対策なども,必要です.
この点を考慮して,実施計画では,少なくとも以下の情報を取り決めておくべきでしょう.

  • 実施目的
  • 協力者と選定理由
  • スケジュール(依頼日,返信期限,取りまとめ期限)
  • 必要な回答数または回答率

この「取り決め」は,計画段階の自分と,実施中(返信待ち段階)の自分,そして作業終了時の自分との間の取り決めとなります.加えて,何かトラブルが起こったときや,実施の前のチェックとして,指導教員や上司などに一度見てもらうための元ネタとしても,役に立ちます.
実施計画では,howを除いて,重要なことを書き出します.howに関しては,どうしてもメモしておきたいことを除いて,依頼文案を書きながら検討するようにします.
実施計画を書いてから,次の点をチェックします.

  • 目的は,確かに自分のしたいことか? 他の人から「何をしたいの?」と質問されて,きちんと答えることができるか?
  • 協力者は適切か? 他の人から「なぜ自分が?」と質問されて,きちんと答えることができるか?
  • 協力者のところに,適切な宛先(またはメールアドレス)が記載されているか?
  • スケジュールは適切か? 依頼から返信期限までは無理のない日数になっていないか?
  • 回答数・回答率は適切か?

依頼文案は,次のことを書きます.

  • 依頼相手の名前,またはグループ+「各位」*1
  • 依頼するに至る事情
  • してもらうこと(howの部分)
  • 期限
  • 「よろしくお願いします」の結語

記載内容は,読んでもらう人に合わせます.まずは,敬語表現ですね.そのほか,コマンドを実行してもらう場合,そのコマンドを使い慣れている人,そのコマンドをおそらく使ったことのない人,そもそもコマンド実行環境がなじみでない人のそれぞれで,書き方が変わってきます*2
期限の記述について,タイトな期限であれば「恐れ入りますが」を付けます.厳密でなければ,「〜日までにご連絡いただけると幸いです」という表現が使えます.いずれにせよ,「期限は〜日です」と書いたり,箇条書きの中に「期限:〜月〜日」と入れたりするのは,いかにも事務的で,読み手もカチンとくるかもしれません.
期限について補足をいくつか.上の段落では「〜日」と書きましたが,直後に「(月)」のように,曜日を添えましょう.また,日までの指定だと,「その次の日になる直前まで」すなわち23時59分59秒までと考える人もいますので,必要なら時刻指定も入れたいところです.
依頼文案を書いたら,次の点をチェックします.

  • 依頼相手の名前や敬称に間違いはないか.複数挙げるとき,順序は適切か?
  • 依頼を受けた者の立場で読んでみたとき,快く引き受けられる内容になっているか?
  • 依頼を受けた者の立場で読んでみたとき,期限までに実施できる内容になっているか?

回答のための書面やファイルを作っておくほうが,回答がスムーズにでき,また取りまとめるあなたも管理しやすくなるかもしれません.ファイルフォーマットには,Word,Excel,フォーム付きPDFが考えられます.一長一短ですので,相手の立場で,一番良いのを選びましょう.
内容を練り上げ,これで十分となれば(依頼日を決めているなら,その日に),次の行動をします.

依頼する

上の準備がきちんとできていれば,送付するだけです.補足や回答用のファイルがあるときには,添付を忘れずに.
なのですが,不着の確認は,しておきたいところです.メール依頼の場合は,エラーメールが来たら,アドレスを見直して対処します.
絶対に読んでもらわないといけないのなら,当人に電話をかけましょう.

返信を管理する

依頼を出してから,テキストファイルまたはxlsファイルを作ります.どなたから返信が来たかを管理するためのファイルです.
Excelのファイルを使う場合,名前,返信日,備考の3列があれば十分でしょう.返信ありをマルバツで書く項目なんてのは,いりません.返信日のマスに記載があればマル,なければバツ(まだ)と考えればいいのです.
返信が来たとき,内容に目を通し,「受け取りました.お忙しい中,ありがとうございました」といった記述でいいので手短に返信*3を送ってから,Excelファイルに追加します.
内容が不十分の場合は,「受け取りました.誠に申し訳ございませんが」として,やってもらうことを書かないといけないこともあります.期限ぎりぎりに到着したものに対しては,期限の再設定をすべきかもしれません.
添付ファイルが届いたら,ファイルが読めることを確認します.読めないほか,「添付します」と書かれているのに添付が見当たらないときには,要連絡ですね.内容がOKのときは,その人の名前を含むファイル名に変更し,それから,作業フォルダに移動します.

再アナウンスする

メールによる依頼で,提出率を高めるには,再アナウンスします.
1日以内でできる作業については,期限の前日または当日にするのが一般的です.送ったメールを引用して,「明日/本日までですので,よろしくお願いします」といった情報があれば,十分でしょう.
全員からの提出を必要とする場合には,未提出者だけに連絡をすると,効果的です.

結果を整理する

イムリミットが過ぎ,もうどこからも連絡が来ないだろうとなったら,結果を整理します.
取りまとめ作業終了後に,依頼者に対して再度,返礼をするのもおすすめです.

後始末をする

「一つの仕事をやりとげたなあ」と感慨にふけるもよし,「次はあんな失敗をしないように」と決意するもよし.
なのですが,今後のこの種の仕事をするかもしれないので,一つだけ,小さな作業をしておきます.作業開始時に作ったフォルダ名を,終了したのが分かるような名前に変えるのです.
計画を立てる段階では「実施完了予定日-件名」としていましたが,終了時にはたとえばFinishedの頭文字をつけて「F実施完了予定日-件名」とするのはどうでしょうか*4
そういう案件が増えてくると,実施中と実施後の区別が付きやすいですし,過去の作業を見直すのも容易となります.

定番表現

上述のと合わせて,私がよく使う依頼の定番表現を並べてみます.

  • 〜 各位
  • 〜の皆様
  • 〜のみなさま
  • よろしく.
  • すまんが,よろしく.
  • よろしくお願いします.
  • よろしくお願いいたします.
  • よろしくお願い申し上げます.
  • お手数をおかけしますが,
  • ご面倒をおかけしますが,
  • ご足労ですが,
  • 上記の経緯で
  • 〜のため,皆様にお願いをする次第です.
  • 以下の手順で
  • 詳しい情報はWebで取得できるようにしております.以下のURLから,ご覧ください.
  • 添付ファイルに記載の上,
  • 署名・捺印の上,
  • 恐れ入りますが,5月10日(月) 17:00までにご返答をお願いします.
  • 5月10日(月)までにご連絡いただけると幸いです.
  • 書面にてご提出のほどをお願いします.〜にメールボックスを用意しておりますので,そこへご投函ください.
  • ご不明な点がございましたら,〜までお知らせください.
  • 受け取りました.お忙しい中,ありがとうございました.
  • ご連絡,ありがとうございます.誠に恐れ入りますが,ファイルが添付されておりませんでしたので,再度,ご送付をお願い申し上げます.
  • ご連絡,ありがとうございます.誠に申し訳ございませんが,必須の〜の事項が空欄となっております.ここが未記載だと〜となり,頂戴したご回答が無効となってしまう可能性がございます.いま一度ご確認の上,再度,ご提出をお願い申し上げます.
  • 4月30日にご相談させていただきました件,期限が明日でございます.まだの方は,ご連絡のほど,よろしくお願いいたします.すでにいただいた方には,重複のお知らせとなりますことを,お詫び申し上げます.
  • おかげさまで,〜することができました.どうもありがとうございました.

まとめのアドバイス

  • 全員の回答を得たければ,それに見合った労力が必要
  • メールの依頼は便利.だけどメールにこだわらない
  • 送ったら終わり,ではなく始まり.受け取ったら終わり,ではなく始まり

*1:「各位」が堅苦しければ,「の皆様」.

*2:さまざまな人がいて,一括で送るときには,使い方を,本文のあと(別ページなど)で書くか,使い方を記したWebページを参照してもらうのがいいでしょう.

*3:情報の分野では,ACK(アック)と言います.関連:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20100211/1265834784

*4:何らかの事情で最後まで至らなかったなら,Unfinishedということで「U実施完了予定日-件名」とでもしますかね.