「パパ,ごめんやけど」
「何かせなあかんのか」
「せやねん.お外で,ジュウヤクの葉っぱを取って来てほしいねん」
「あーあの,ジュウヤク茶のもとかいな.んで何すんの?」
「この子らさあ,お鼻が詰まって,ミルク飲むの苦労してるやんか」
「まあなあ」
「でな.生のジュウヤクの葉っぱが効くねん」
「はあ!? 飲ますんか?」
「ちゃうよ.お鼻に入る大きさにして,もんでから,詰めるんよ」
「何やそれ」
「いけるねんて!」
「まあ,お前なりに確信があるっつーんやったら,取って来よか…」
「んでお鼻にジュウヤク,うまいこといってんか?」
「それがねえ」
「あかんかったんか…」
「うえの子がね,詰めてんの見て,喜んで!」
「喜ぶんかいな.自分もしたいとか?」
「それはないけどな…その葉っぱを,お鼻から,抜きよるんよ」
「ありゃ」
「それで,さきの子やあとの子の口の中に,入れるねんで!」
「食わしとんかい.てか,食うんか?」
「まだまだ,あかんよ.そいでペッすんねんけどな」
「うえの子の行動も,困ったもんやなあ」
「パパ,小さいころさあ…お兄さんに聞いたんやけど」
「ん? ジュウヤクはなかったぞ」
「やなくて,寝てるときに,色鉛筆2本,突っ込まれたんやて,お鼻に!」
「おっと,えらい話を思い出さすなあ」
「そいであなたが,無意識のうちに手に取って,スポーン,スポーンって抜いたって」
「そうらしいが.で,そもそも記憶がないが」