わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

子どもと対話しながら思うこと

昼間はもちろん仕事のため,家にはおりませんが,朝晩,それと休日は,長女(うえの子)と会話をするようにしています.
彼女は機嫌がいいと,「おててえほん」*1を見せてくれます.こちらからの「今日は何をしましたか?」といった質問に,自分の言葉で答えてくれます(発言が終わったあと,妻が「そやねん」から始めて,補足をすることもあります).こちらは,ひととおり聞いたあと,「よっしゃわかった.けどな,そこはこうこう言うほうがええねんで」と言うこともあります.
そういった対話を楽しめ,またアドバイスをするのは,やはり,この子の将来を考えてのことです.自分なりに考えて,自分の言葉で表現できるようになることを,望んでいます.年齢が上がるにつれ,高度になってくることでしょう.
今は話し言葉ばかりですが,鉛筆やクレヨンなどで書く・描くようになれば,その出来上がりを見てほめたり,ここはこうしたらどうとか口出ししたり,俺に貸してみ→こうするんじゃ→あれなんかおかしなったぞ,なんてことになったりするのかもしれません.
当雑記でよく書いているように,私はふだん,大学生・大学院生と対話をしています*2.研究室内では話し言葉のほうが多くなるとはいえ,進捗報告や学会発表などでは,文字ベースでやりとりします.メールも活用します.
講義のほうは,基本的にこちらから数十人の受講者へ一方的に話しかけますが,小テストまたは授業メモで,理解の状況や今後への要望について,吸い上げを図っています.試験が終わったら,問題と解答を公表しますが,解答のほうは何度か改訂し,模範解答だけでなく,別解*3や誤答例を載せるようにしています.
対話すること,その中で,おかしなことはおかしいと言うこと*4は,思いつきや何らかのプロセスを,強固にするのに役に立ちます*5.学生にとっては試験や論文ですし,2歳の長女にはまだまだ先ですが,国語や算数など,学校で勉強したり,テストで答えを書いたりするときに,必要になってきそうです.
研究---自分が日常の業務として行うだけでなく,学生には教育の一環となるもの---においては,口頭発表,予稿・論文,メモなどを通じて,自分が計画し実施した内容を,聞き手・読み手に誤解なく伝える必要があります.その場合,最初から完璧なものを形にしようとするのではなく,情報や知識を増やしながら,考えを整理し見直し,洗練させていく作業が欠かせません.学生時代,初めて学会発表の予稿を書くことになったとき,ある先生が「最初から百点満点を求めなくていいんだよ」とおっしゃったのを思い出します.
娘の言動から,大学で行う教育・研究へというのが,飛躍しているのなら,例えば「大人に協力を求めるとき」というのは,どうでしょうか.小中学生,もしかしたら高校生も含めるべきかもしれません.一人よりは複数人による行動を,想定しています.
そこでもまた,自分(たち)で計画し,それまで何をしてきたか,成功に向けて何をするつもりなのかを伝え,了承をもらうことになります.誰に・いつ・何を言うかを間違えると,失敗することもあるので,発言(やプロジェクト管理)は慎重に行います.年齢が違うときにはおそらく最年長の者がリーダーを務め,みなが同学年であっても,状況に応じてリーダーが発生します.
それに対して大人はどうか…手伝ってほしいと言われたら,やりたいという意欲を尊重し,大人・自分でないとできないことに関与するとともに,子ども(たち)であってもしてはいけないことは,注意したり阻止したりすることになるでしょう.成功をともに喜びたいですし,失敗したとしてもその努力をほめ,これからにつなげられるよう,新たな方向を示すという責務も,あると考えています.
プロジェクトとは別に,大人どうしの対話を子どもが見聞きして学ぶことも,あるでしょう.その際,理性と感情のバランスが求められます.理性は,その場面で使用する情報・知識や約束事(とその組み合わせ)に,感情は,言葉や目に見えるものに相手に伝える際の力強さに,それぞれ対応づけられそうです.
それにしても,日記を書いていると,理性と感情のバランスはうまくとれません.日記は理性というか情報の結びつきを重視し,感情をネット上で表現するには,はてブやツイートのほうがいいのでしょうかね.

*1:はてなキーワードになっていないらしいので,リンク:wikipedia:おてて絵本

*2:他の教員や事務の方とも対話をしますが,それらはなかなか日記に書けないですね….

*3:今期の情報セキュリティは,別解となるものがずいぶんと少なかったかなという思いもあります.

*4:私も,娘や学生の反応を見て,自分の言動がおかしいのに気づくことがあります.

*5:ダメなものを,早い段階で見抜いて切り捨てられるという効果もあります.