わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

私の研究テーマ

ここ数年の,私の研究テーマや研究の関心について,お話しします.
何をしているか,一言でいうなら「データベースシステム」です.
その中でも,経典などの歴史史料を,コンピュータで利用できるようにすることに力を入れてきました.「ディジタルアーカイブ」と呼ばれます.
その際,単に電子ファイルにするというのではなく,ファイル群から,いかにして利用者の望む情報を効率良く取得できるかが,成功・失敗の鍵を握ります.
それを実現するための,言ってみれば利用者のニーズに合ったデータベースシステムを設計・構築・運用しながら,学術的な要素を見出しているというところです.
ここ数年では,システムを作る際,関係データベース---RDBだとかDBMSだとか---に限らなくてもいいじゃないかと思っておりまして,具体的には全文検索やバージョン管理,あとまだ形にはなっていませんがNoSQL(構造化ストレージ)なども活用して,設計・構築を試みています.
そうこうしながら,ああDBMSSQLも,捨てたもんじゃないなと思うこともしばしばでして,実際,SQLをシステム実現のための手段としてだけでなく,研究の対象とするようにもなっています.
研究の関心の2番目は,「開発者支援」です.データベース・DBMSを使ったシステム開発技術は,もう十分に世の中で浸透していますが,一歩踏み外してといいますか,全文検索も必要だとか,スケーラビリティ確保のためこれまで従来型のデータベースでアクセスしていたところの一部をいま流行りのNoSQLの何かに置き換えたいだとかいったときに,研究室内のこれまでのノウハウを活用して,サポートできないかと考えまして,学生とともに取り組んでいます.
3番目として,「情報の基礎・表現」にも興味を持っています.「情報のモデリング」と言い換えることができます.究極的には「情報とは何か?」の答えを出すことですが,ちょっとこれは難しいので,現実的なところとして「何らかの場面において,そこで必要不可欠な『情報』とは何か? それを計算機上でどのように格納したり,情報を取得したりできるようにすればいいのか?」を考えています.
学会は,情報知識学会,情報処理学会,電子情報通信学会に入っており,次の3つの研究会に登録しています.

といいつつも,それらの研究会で自分だか学生だとかが発表する機会はあいにくなかなかありません*1.人文科学とコンピュータ研究会とKBSEは,それぞれが主催する会議で「じんもんこん」と「JCKBSE」というのがありまして,前者は毎年12月開催の査読付きの国内会議です.後者は隔年で8月開催になっている査読付きの国際会議で,会場はヨーロッパなのですが,もっぱらそれらに投稿し,発表する機会を得ております.
IFATに関してですが,その前身は「情報学基礎研究会」でして,今の大学に着任して5月くらいに,学内で研究会が催されて興味深く聞かせてもらったのと,この研究会に入っていると,TODと呼ばれる論文誌も読めるというので,登録しています.去年ですか,「情報基礎とアクセス技術研究会」という名前になって,まったく別で進めてきた(と思っていた),データベースシステムの研究で必要な要素が名前に入っているのを知りまして,今後もしっかり予稿集を読ませてもらうとともに,自分も何らかの形でコントリビューションをしていければと思っています.

学会関係の補足

今年も,じんもんこんに投稿します!
情報アクセスシンポジウム2011に参加・聴講したいと思います!

何これ

先日,研究についてプレゼンをする機会があったので,その中の1枚のスライドで話したことを文字にしてみました.
本日で,日記をつけた日数がちょうど1800日となり,節目で,自分の研究の関心を見直しておきたいなという気持ちもあります*2.月末の3年配属の準備という意味合いもあります.

*1:野暮な補足をすると,人文科学とコンピュータ研究会には2006年1月に,学生と自分とで1件ずつ発表しています.残りの2つの研究会では,学生・自分とも,発表の経験はありません.

*2:1700日のときの記憶はちょっとないのですが,1600日のときは,自分を支えるものは何か,考えてみたをリリースしています.