いきなりですが問題です.
義理のお母さんに頼まれ,手分けして草むしりをしています.
夏はまだ先といっても,汗をかきますし,慣れない作業に立ったりしゃがんだりで腰もつらく,握力も落ちてきました.
そんなとき,義理のお母さんに何と言えばいいでしょうか.
結婚し,妻そして妻の父母と同居して,数年になります.したがって自分の母とは別居となりますが,子どもが生まれたのをきっかけに,わりと頻繁に顔を合わせます.
そんな中で得た,1世代上の人々とうまくやっていくための心がけがあります.
- 先に準備し,一歩遅れて行動する.
これは,「相手を立てる」を,ほんの少しだけ具体化したものです.手配するのでも,先回りするのでもかまいませんが,準備をしておいた上で,義理のお父さん,お母さんから指示をもらうか,あとについて行動すれば,相手もにっこり*1,こちらもにっこり,円満になります.
ここで,草むしりの問題の解答です.先日,そういう状況になったのですが,
「あのー,のど,乾きません? 僕ちょっと飲みたいんで,お母さんの分も,妻*2に言って,作ってもらってきますゎ」
と声をかけて,了承をもらい,休憩してから,
「あと,どこの草を取っときましょかね?」
と尋ねました.そうすると,「じゃあ,そこの木のまわりだけ,やっといてくれるかな.それでおしまいでいいよ」と言ってくれました.20分ほどやって,おしまいにしました.離れる前にも,ひと声は忘れませんでした.
「先に準備し,一歩遅れて行動する」に派生する,他のおすすめの心がけをいくつか,挙げたいと思います.
- “強み”“頼られること”を持つ.
車を運転できる*3なら,送り迎えができます.
他に頼まれやすいのは,荷物運びなどの力仕事,電球の取り替えなどの家電関係,パソコンで文書や年賀状の作成,料理,買い物につき合うこと,でしょうか.
もちろん,依頼されたら即行動です.
即ではない場合には,「いつするか」「いつまでにすればいいか」を共有します.
- “嗜好”“いつも観る番組”を知っておく.
世代間で嗜好が違っているのは,当たり前かもしれませんが,それでも,「酒」「タバコ」「賭け事」については,するかしないかを知っておき,何かのときに配慮したいものです.
これには「ジョハリの窓」が役立ちます.ジョハリの窓では「自分に分かっている・分かっていない」「他人に分かっている・分かっていない」で,田の字の表(窓,格子)を描きます.これをアレンジして,嗜好のそれぞれが「自分はする・しない」「相手はする・しない」のうち,どこに当てはまるかと考えるのです.
“いつも観る番組”というのは,日常生活をもとにしています.妻の父は,BSでNHKの大河ドラマを楽しみにしています.妻の母は,「新婚さんいらっしゃい」と「笑点」です.
それらを観ているときに,頼み事をするわけにいけません.観ている時間帯にする必要のある,頼み事もです.
- キャンセルを考慮する.
立てた計画は,すべて実行するとは限りません.
義父母あるいは実母とともに,行動をしていると,あきらめが早いように感じます.
逆に子どもは,親が「これするよ」と予告したことが,できなくなると,泣き叫びます.
旅行中の行き先など,1日にいくつかのことを行うときは,子ども>親>配偶者>自分の大小関係で優先順位をつけて,するかしないか判断しています.
「しない」の最終判断は,年長となる親世代の誰かの一言のほか,“空気”ということもあります.
途中に書いたとおり,実際の経験をもとに,「ライフハック」を文章化してみましたが,この心がけは,親世代とのやりとり以外にも使えます.
私は大学で,教育をする立場なのですが,学生に答案など,何かをアウトプットしてもらいたいとき,入念なお膳立てと,その場のタイミングが,ともに大事な要素となっています.“いつも観る番組”は,研究室配属の学生が履修している授業や,就職活動に置き換えられます.
学生から,教員を意のままに操りたいときや,ビジネスの場でうまく了解をもらって話を進めたいときにも,活用することができれば幸いです.
(最終更新日時:Wed May 2 05:39:20 2012ごろ.一部フォントを小さくしました.)
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