わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

2つのルーツ

「いじめた側にも人権」を持ち出したのは,読売新聞側の記者ではないのでしょうか?
こんな感じで:

  • 電話(対面かも)で取材する.
  • やりとりの中で,市教委の回答者が「教育的配慮」を理由に挙げる.
  • 取材者が「いじめた側にも,人権があるということですか?」のような質問をする.
  • 市教委の回答者は,その質問の意味を十分に考える余裕がなく,YESの意味の回答をする(「はい」の明言でなくてもいい).
  • 取材終了後,記事が取りまとめられ,公開される.
「いじめた側にも人権」を持ち出したのは読売記者では?

駄文にゅうすさんとこからリンクされ,(現在はhttp://ariel.s8.xrea.com/news/2012_07.htm#20120708),休日にもかかわらず平日並みのアクセスをいただきました.
さて,上のとおり書いたのには,2種類のルーツ,というか自分なりに書いてきたことがあります.一つは,出来事から,そうなった背景を考えてみることです.

時系列としては,この学生さん,何かのときにcc comm.hとやってしまい,その後comm.hとcomm.cを書き換えていったのでしょう.comm.cの中に「#include "comm.h"」と書いてあっても,コンパイル時に参照されているのは,comm.h.gchだったという次第です.

ヘッダファイルはコンパイルしないように

電話をかけられた時点,そして『かけ算には順序があるのか』が十分に出回っている,現在においても,「かけ算の式の正しい順序」「かけ算の順序」「かけ算の式には順序がある」といった表現で,文科省の中の人にどれだけ理解されているのか,想像がつきません.
かけた側は,それらの言葉について十分に説明をして,了解を得たという感触があるのかもしれません.しかしその「了解」が,十分な理解の上でなのかは,やっぱり見えてきません.受けた側は,ある程度聞いたところで,現在の小学校の算数の教育・指導を踏まえていないことが分かり,あとは言質を取られないよう,「〜していないし,〜もしていない」という回答にとどめた,という可能性も,考えられます.

電話で問い合わること

そして最後,「子ども手当制度」のところに,バツ印がつけられています.これが,子ども手当の手続きをしないよう,市役所の人が誘導した根拠になりそうです.
具体的にいうと,こうです.まず出生届の手続きにおいて,本人確認で保険証を提示しました.私の場合,文部科学省の共済組合員証です.職員さんがこれを見て,公務員だからということで,子ども手当の手続きは不要と判断し,説明された,という流れです.

子ども手当,×から○へ

1. 小学校2年生の教室です.算数の授業で,まず「1つ分の大きさ」×「いくつ分」が「全体の大きさ」になるとして,乗法の式の表し方を,説明します.具体的な問題で先生が実演します.
2. 児童に『1さらに りんごが 3こずつ のって います.そのような さらが 5まい あります.りんごは ぜんぶで 何こ あるでしょう.』のような質問文を与え,何問か解かせます.ほぼみな,「3×5=15」と書くでしょう.
3. そして次の算数の授業あたりで,画像の《問い》を解かせます.これは,「数字の現れる順番に書いて,間に×を置いて,『5×3=15』と書いてはいけないんだよ,ちゃんと『1つ分の大きさ』×『いくつ分』として式にするんだよ」という出題意図です.教室で解かせたら,「しき」の誤答率がかなりあることでしょう.そして,返したあとに,先生がなぜ「5×3=15」では間違いなのかを教えます.
4. この答案用紙をおうちで見た親御さんが,「3×5も,5×3も,一緒じゃないか.どうよこれ?」と思ったか何かして,デジカメで撮り,トリムして,インターネット上にアップロードしたのでしょう.

「×」から学んだこと

手っ取り早く言えば,発表証明書です.
これまでこういう書類を受け取ったことがなく,この会議ってしっかりしているんだなあと思ったのですが,少々考えて,おそらくこれはno show対策なのだと理解しました.
(略)
今回の会議のno show対策として,推測したのは,こうです.会議に先立ち,全発表のOfficial Certificateを作っておきます.Chairの方のサインの労力も,大変なものです.ともあれ事務局は,各セッションの座長に,発表者分のOfficial Certificateを渡します.座長は,発表した人に渡し,発表に来なかった人の分は事務局に返却します.そうして,誰が発表しなかったかの明白なエビデンスが残るという次第です.

口頭発表したらいただいたもの

補足:上の引用にはいくつか,「かけ算の順序論争」が入っています.論文や和英の書籍を読みながら,見解は変遷していますが,今のところ「小学校2〜3年の段階では,“一つ分の大きさ”と“幾つ分”を明確に区別している」「〈乗数と被乗数を区別しない文脈〉の早期(2年)の適用は,意味理解(演算決定)・式の表現・数量感覚の面で課題がある」といったところです.当雑記では「×」を基点に書いたことをリンク集として設けており,サブアカではかける数が1あたりが今年の成果となっています.

もう一つのルーツは,(電話で)問い合わせを受けたときに,どのように応対すべきかです.

その情報を断片的に見ている限りですが,その行為には信頼性が欠けています.
理由は3つありまして,

  • 電話をする側は十分に準備できるのに対し,受ける側は,そうではありません.
  • 電話を通じて,十分な意思疎通ができたのかどうか,疑問があります.というのも,「かけ算の順序」という表現で,その意図が相手(文部科学省の人,数学教育の専門家,算数を専門とする小学校の先生ほか)に通じるだろうか,ということに対する想像・配慮が見られないのです.
  • 電話をかけた側にとって都合のいい情報・解釈だけを結果として公開している可能性が,拭いきれません.

問い合わせの信頼性を上げるためには文書(郵送)でしょうが,もちろん,返答が得られる可能性が100%でないという難点があります.
まあ,様々な手法が考えられる中,より確実に情報が得られることを重視し,信頼性を犠牲にして,電話照会を選択した,ということなのでしょう.読み手としては,鵜呑みにしないことです.

読んだ

上のことを先鋭化させて作ったフィクションが,√2は数ではないのかで,小話集のPDFファイルに入れるにあたり,改稿し解説を添えました.
ちなみに電話は重要ではありません.「即座に答えさせる環境」が最低条件で,電話でのやりとりというのはその一つの手段です*1.別パターンとして,セールスがあり,2008年に書いたものを,抜き出しておきます.

  • まずは,セールストークに騙されないようにしましょう.売り込みを図る営業の人だけでなく,企業のトップの人も,目を輝かせてバラ色の未来を語ります,「へえ,そうなのか」と,文字通りに受け取ってはいけません.それを買って使うときや,提案したことを実現する際の途中段階には,当初説明していなかったことが出てきて,そのために立ち行かなくなることがしばしばです.情報の受け手として,バラ色の未来に至るまでに何が必要なのか,そしてそれは達成できるものなのか,あるいはなぜ相手はそれを言ってくれないのかを,話者のいないところで考えるようにしましょう.セールスについて付け加えると,考える暇なく署名や捺印をさせようとするものがあったら,購入や契約をする理由を検討せず,即座に断るべきです.
大学生活で学んでほしいこと・追加

(最終更新日時:Fri Jul 20 05:49:19 2012ごろ)

*1:情報セキュリティに関連して知っておくべき「ソーシャルエンジニアリング」も,背景にあります.