わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

コップ

  「お…さきの子も,あとの子も,しっかり食べて飲んどるな.パパも,朝ごはんをいただくか」
  「!(コップを差し出す)」
  「元気でよろし…あかんあかん,ミルクが出てもたがな.コップの中に何か入ってたら,差し出したらあかんねんで! ママぁ,ふきん持ってきてくれるか!」
「どここぼしたん?」
  「テーブルにはこぼれんかったが,あとの子のな,腕の中に入りおってやな…」
「(ふきながら)パパぁ,こんなんで大声,出してたら,1日やってられへんで」
  「そっか.んでこの子ら,飲んで食べてしたら,席からおろしたったらええんか?」
「せやね,そうしてくれる?」
 「じゅーすほし」
  「じゅーすほし」
  「んむ?」
 「じゅーすほし!」
  「じゅーすほし!」
  「…と,2人が声を合わせてるんやが,やるんでええんか?」
「せやね,入れちゃってくれる? パパ,手ぇ届くやろ?」
  「ん? ああこの,野菜ジュースな.おっと,さきの子もあとの子も,コップを差し出しよるよ.ミルクはナイナイになっとんな」
「かいらしやん」
  「まあなあ.ほな注いでこか,さきの子もあとの子も,まあ見ときや…って,どんぐらい?」
「任すわ」
  「あいよ…あ?」
「どしたん?」
  「あ,いや,コップの形がちゃうんで」
「まあ,おんなじ量になるように,入れちゃってや」
  「せやな.ほいの,ほいの,ほいの,ほい,と.おっきいコップ,さきの子よ,どうぞ」
 「(受け取る)」
  「あれ? そのコップ,あとの子のやったっけ…」
  「じゅーす!!(さきの子が持ったコップを奪う)」
  「うお! 奪いおるんか! ほなまあ,さきの子よ,こっちのコップな」
 「(受け取る)」
  「しっかし,奪い取るとはなあ…」
「あのねえ,それ,あとの子やねん」
  「ん? 何かあるんか」
保育所でもね,昼寝のとき,こっちの布団でないとイヤ! とか言うてんねんて」
  「なんじゃそら」
「けど,さきの子はね,どんな布団でもええから寝よ,やねんて」
  「….こだわる子ぉと,こだわらん子ぉ,てか?」
「せやね」
  「ほんまにこの子ら,双子か?」
「双子やないの」

(リリース:2013-05-25 朝,東京にて)