某年月日,夕食で家族の一人の誕生日祝いをしました.
「テーブルの,透明なビン2つ,中の色は紅白…」
「なに,パパ?」
「入ってんのは赤ワインと白ワインか?」
「そんなわけないやん.ジュースやで」
「すえの子ちゃんがラ・ムーで買ってきてんて」
「赤い方はぶどうソーダ.もうひとつはサイダー」
「軽いボケに,立て続けにさきの子とあとの子がツッコミ入れてきおったな」
「え,パパ,ボケたん?」
「うんまあ,てか,こんな色のワインはないからなあ」
「今日はみんなで,お誕生日のお祝い,すんねんで!」
「せやな.これ,子どもらで飲むんか?」
「パパと,ママも,飲んだら?」
「なるほど.分け分けすんねんな.うえの子・すえの子と合わせて,コップが6ついるんやが…」
「はい,コップ!」
「ほお,全部で6つ…大きさも材質も様々やなあ」
「パパは座っててね.おんなじになるように分けるから」
「あいよ…」
3つのコップに薄赤色のぶどうジュースを,残り3つのコップに透明のサイダーを,注ぐと,もとの2つのビンは,空っぽになりました.
「誰がどれ飲む?」
「あたし,ぶどう!」
「お姉ちゃんと,すえの子も,ぶどうやって!」
「ほな消去法で,パパは,サイダー」
「僕,サイダー!」
「….(ここでボケよう)ぼくドラえもん!」
「え(笑),なんでパパ(笑),ドラえもんなの(体がよじれる)」
「さきの子ちゃん,今のそんなに面白かった?」
「んんまあ,笑いのツボは人それぞれやからなあ」
「…ふう.パパ変なところでボケやんといてよお」
「(口先だけで)すまんかったの」
「うち,このコップもらうで!」
「さきの子よ,僕の次はうちか」
「(飲む)」
「んでママにはこっちのコップでええんかな」
「あ,パパ…」
「パパ,それ…」
誰も口をつけていない,サイダーの入った陶器のコップは,なんと,ドラえもんの絵柄が外側に描かれていました.
「なんか注目を浴びとるな.(コップを持ち上げて)ぼくドラえもん!」
さきの子とあとの子の2人だけが,激しく笑いました.