「ただいま」
「おかえり.って,もうこの部屋まで来てたん」
「ん? まあ,戸ぉ開いてたからな」
「晩ごはん,できてんで」
「ふむ,大皿に,骨付きのカシワの唐揚げか!」
「食べてや」
「おうよ.子どもらは,もう食べたんか」
「とっくに食べたで.隣の部屋で,お絵かきしてるよ」
「ふむふむ.….もぐもぐ.….ええなあこういうの」
「あ〜」
「おっと,その声は,すえの子やな.もぉ食べたんよな?」
「あ〜〜」
「なんや…唐揚げ,ほしいてか?」
「ママとこ来るのんね,すえの子ちゃん.はい,どうぞ」
「(喜んで食べる)」
「食欲旺盛やなあ」
「せやね」
「んであっちの部屋へ行くんかいな」
「まあええやん」
「子ぉらもおらんし,ちょっとの間やろけど,今のうちに食とこかな…」
「ふう,ごちそさん」
「あの子ら,寝かしちゃってくれる?」
「ん? 風呂は?」
「あたしがみんな入れたよ」
「ありゃま,ごくろさん」
「明日は頼むで」
「全員かいな」
「当たり前やないの!」
「へいへい」
「んでな,お絵かきの道具,回収しちゃってくれる?」
「あの子らのな.ええよ…おーい,お絵かきはおしまいや,クレヨンを片づけるんやで〜」
「あれ,すえの子よ,クレヨンは,口に入れたらあかんねんからな」
「取るぞ! ってこれ,ずいぶんツバがついとるな」
「堅いし…いや,これは,唐揚げのカシワの骨やないか!!」
「あ〜〜!!」
「あかんあかん,もうおやすみの時間やねんから.…それにしてもこの子,手ぇ拭いて,歯ぁ磨かなあかんぞこれ!!」