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事例提供を呼びかける際に配慮したいこと

メールを通じて知り合いに,またWebを使って不特定多数にアナウンスして,何らかの事例収集をしようとする際,あらかじめ設定あるいは手配をしておくといいものがあります.「ゴール」「手持ちの事例」「関連情報」です.
箇条書きにまとめました.

  • ゴール
    • 事例を集め,そこから何を得たい(したい)のかを,簡潔に表します.
    • 良いゴールの提示は,より多くの読み手(潜在的な事例提供者)に「ええ,協力しましょう!」と思わせることにつながります.
  • 手持ちの事例
    • 自分はこれまでどのくらい集めて(あるいは作って)きたかを,例示します.
    • 文字・画像などを貼り付けるほうがいいか,URLを書くべきかは,ケースバイケースで.
    • 呼びかけにあたって,適度な個数,提示しておくと,読み手はその内容をもとに,何を提供すればよいか参考にすることができます.
  • 関連情報
    • 類似した事例収集の例についても,書いておきたいところです.
    • あるとすれば,なぜ今回,呼びかけるのかについても,検討しておきます.
    • ない場合*1には,なぜこれまで,なかったのか,そして今回,期待する数が集まる見込みはあるのか,といったことを,考えておきます.
    • これもまた,読み手が自分の持つ情報を提供してよいかどうかの参考になります.

上の3点を書けば,良いやり方,書かなかったら悪いやり方,と単純化するわけにいきません.書いて見せるのは,方向づけですので,「読むのが大変」「なんか面倒だ」と思われ,敬遠される可能性もあります.手持ちの事例を最初っからたくさん挙げるのも,失敗のもとです.過ぎたるはなお及ばざるが如し,とはよく言ったものです.
ですが,検討して(手元のメモに書いておいて),人には見せないけれども,心の中でまた文書ファイルにして,大事にとっておくというのは,やっておいて損がありません.不測の事態に,原点に戻って路線決定をするのに役立ちます.あるいは,好評を博したときに,「メイキング・オブ」と言いますか,もともとはこんなプランだったのですが,と写真に撮って公開すれば,ファンが増えることも期待できます.
夢物語はこのくらいにして…

千里の道も一歩から,とも言います.事例提供が届くたびに,やっておきたいことがあります.「表管理」と「受領通知」です.

  • 表管理
    • Excel*2を開き,1レコード=1行として,記録をつけましょう.
    • 列については,通し番号と提供年月日(必要なら時分秒も)を設けておき,あとは内容に応じて定めます.
    • 画像など,Excelに入らないものは,代わりにファイル名またはURLを書いておきます.
  • 受領通知*3
    • 「ご提供ありがとうございます」の連絡です.「確かに読みましたよ」を表すことになります.
    • 内容に則した感想を添えると,「Just For You」感が出てきます.

表管理(表に1行追加)のほうは,情報が届けばすぐ,したいところです.とはいえ管理者自身の仕事であり,その表を随時更新することが望まれているわけではないので,1日1回あるいは数回と,まとめて実施するのでも,差し支えはないでしょう.
それに対し,受領通知は,タイミングを注意したいところです.遅すぎるのはもちろんダメですが,早すぎるのは,「アンタずっと張りついてたんかいな」と思われ,マイナス評価になるかもしれません.あらかじめルールを決めておきましょう*4
そのほか,メールを通じて依頼するときには,「呼びかけの再配布の可否」「提供された情報の使い方」にも配慮が望まれます.Webのほうが楽ですね,Twitterで手軽に呼びかけて拡散できますし,著作権などの問題は,事例を公開した人の責任となりますので!


本日の記事を書くきっかけになったのは,次の掲示板です.

そこに提供できる情報は,持ち合わせていませんが,「業者のテスト」でなければ,書籍を中心に取りまとめてきました.

もともとは「容易に入手でき,第三者検証の可能な出題事例の収集」だったのですが*6,コメントから新たな書籍の提案をいただいたり,海外の情報を参照したりして,論争はあるけれどもその形式には歴史や学術実践の蓄積があり,そのもとで教科書やテスト問題は緩やかな変化をなしていることが見えてきました.
かの掲示板では,別の意図を持って,情報提供を呼びかけているようですが…ともあれ,今後の充実を期待するとします.


駄文にゅうすにて当記事がリンクされました(現在は12月11日(水)).感謝申し上げます.駄文にゅうすさんとこからの「かけ算の順序」関連リンクについて,関心のある方は,以下もご覧ください.

(最終更新:2013-12-31 朝)

*1:自分で事例を作ったり取得したりできない場合にも,理由を明確にしておきたいところです.

*2:無償のオフィス互換ソフトウェアや,Googleドキュメントなどオンラインサービスを活用するのも一つの手です.

*3:情報通信の分野では「ACK(アック)」と呼ばれます.wikipedia:肯定応答というエントリがあるのですね.

*4:私自身は,学会発表の申込みや取りまとめの経験から,「1時間以内なら早すぎ,24時間以上過ぎると遅すぎ」という感覚を持っています.ただ学会申込みに限れば,受領通知は登録後すぐ(機械的に)送るようにし,そのことを入力フォームのどこかに書いておくのがスマートなのですが.

*5:その前には: http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20111130/1322600095, http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20110723/1311351165

*6:著作権については次のように考えています.適切な「引用」を行って刊行物からquoteしてブログ記事にし,事例集では引用元の書籍などと言及したブログ記事をともに出典に(cite)するのが,もっとも健全なアプローチです(当ブログはそこまで行き着いていないところもありますが).その一方で,我が子の答案にバツがついた,どういうことだと,親が写真にコメントを添えてアップロードすること自体は,ありふれた行為であり,著作権の侵害だのバカッターだのと,目くじらを立てるものではないようにも思っています.