わさっきhb

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円の分割2

扇形とはまた別に,円の分割についてのGIFアニメーションを作成しました.

分割数を大きくしていくことで,緑色で塗られた,円周と交わる領域が,減っていくのが分かります.n×nの分割において,nを大きくすれば,緑色の正方形の枚数はnに比例することになります.全体の枚数がnの2乗であるのと比べて,小さくなるので無視でき,オレンジの正方形の枚数をnの2乗で割れば,半径1の四分円の面積となるわけです.
座標などはRubyスクリプトで計算させ,実際の描画はImagemagickのconvertコマンドで行っています.スクリプトの公開は,いましばらくお待ちください.
プログラミングにあたり,注意をしないといけなかったのは,円周がマス目の角っこ(正方形小片の頂点)と交差*1する場合がある点です.そのような交点を中心にするなら,交点の左下の正方形は内部,右上の正方形は外部,左上と左下の正方形は円周上にあります.
最初に出現するのは5×5のときです.25×25では,4点が該当します.


そのような交差は,学習指導要領解説(読み比べ(8))での分割*2にも,現れます.もし,子どもたちが方眼紙上にコンパスで円を描いたら,ちょっとしたずれで,角っこと交わらないような図ができてしまう可能性もありますが,三平方の定理を知っていれば,円の半径を10とし,四分円を10×10に分割するとき,2点(8,6)および(6,8)は,円周と交わる角っこであることを確認できます.5×5のときは,(3,4)と(4,3)の2点,25×25のときは,(7,24),(15,20),(20,15),(24,7)の4点です.座標は計算でも求められますが,ピタゴラス*3を知っていれば,漏れなく,効率良く得ることができます.
この交点の存在は,小学生に,三平方の定理やその逆,有理数無理数との違い*4を知ってもらう入口になりそうにも感じました.

(最終更新:2014-07-15 朝)

*1:2点(n,0)および(0,n)は除外して考えます.

*2:10×10ですが,小学校学習指導要領解説 算数編に載っているメッシュは,11cm×11cmの領域に対し,左下を中心として半径10cmの四分円を描いています.東京書籍の教科書では,10cm×10cmでした.試作したプログラムは,学習指導要領解説のように,右や上に円周外の方眼がある場合でも,描画できるようにしています.

*3:例えば,http://www.hyogo-c.ed.jp/~meihoku-hs/club/astronomy-py.html

*4:四分円の円周とマス目の角っことの交差は必ず偶数個になります.奇数個になるには,x^2+y^2=n^2(x,y≦1,nは正整数)とy=xの交点が,マス目の角っこ,座標としてはxyとも有理数でないといけませんが,その座標(p,p)についてp=\frac{n}{\sqrt{2}}と表され,nが正整数のときpは無理数となるからです.