いきなりですが問題です.以下のA〜Dについて,青の線の短いものから順に,並べましょう.黄色の丸はすべて同じ半径の円です.
元ネタは,以下の本のpp.84-87,「トイレットペーパーを結ぶひもの長さは?」です.
- 作者: 山本良和,子どもの心に「こだま」する算数授業研究会
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2017/08/26
- メディア: 単行本
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といったところで解答です.Bが最も短く,A,C,Dは同じ長さとなります.
長さを比べやすくするため,青の線を「直線部分」と「曲線部分」に分けてみます.直線部分のみだと,以下のとおり.
曲線部分は,こうです.
直線部分について,Aは,円の直径の2倍の長さの青の線が2つで,合わせると,円の直径の4倍の長さとなります.Bは,円の直径の3つ分です.CもDも,円の直径の4つ分です.斜めに表示される,青の線についても,その端の2点と,接している2つの円の中心,合わせて4点を結ぶと,長方形ができることから,直径の長さと分かります.そしてBだけ,他の3つよりも,円の直径1つ分だけ,短いと言えます.
曲線部分については,AからDまでのいずれも,円周1つ分と同じ長さになります.A,B,Cは明らかです.Dについて,左上と右下の円の青色部分はともに円周の6分の1で,右上と左下については円周の3分の1ずつです.合計すると,=1です.
描画の手続きからも,Dの曲線部分の合計が円周1つ分になるのを,知ることができます.いつものようにImageMagickのconvertコマンドで作図していまして,コマンドは以下のとおりです.
convert -size 220x170 "xc:#f0fff0" -fill "#ffff99" \ -stroke black -strokewidth 2 \ -draw "circle 90.0,50 130.0,50 \ circle 50,119.28203230275508 90,119.28203230275508 \ circle 130,119.28203230275508 170,119.28203230275508 \ circle 170.0,50 210.0,50" \ -fill none -stroke blue -strokewidth 5 \ -draw "line 55.35898384862246,30.0 15.358983848622458,99.28203230275508 \ line 50,159.28203230275508 130,159.28203230275508 \ line 164.64101615137753,139.28203230275508 204.64101615137753,70.0 \ line 170.0,10 90.0,10 \ arc 50.0,10,130.0,90 210,270 \ arc 10,79.28203230275508,90,159.28203230275508 90,210 \ arc 90,79.28203230275508,170,159.28203230275508 30,90 \ arc 130.0,10,210.0,90 270,390" \ -quality 92 drawround_D.png
ここで「arc」に着目します.弧を描くための指示で,後ろに6つの数値をとり,最初の4つは,円(または楕円)を囲む正方形(または長方形)の対角の座標です.5番目の引数は弧の開始角,6番目の引数は終了角です.この角度は度数法を用い,右向きを0として時計回り*1で指定します.
ということに注意した上で,arcの5番目と6番目の引数を見ると
- 最初は「210,270」で,中心角は270°−210°=60°
- 2番目は「90,210」で,中心角は210°−90°=120°
- 3番目は「30,90」で,中心角は90°−30°=60°
- 最後は「270,390」で,中心角は390°−270°=120°
でして,角度を合計すると,ちょうど360°,円の1周分です.
*1:描画の際,Y座標が大きくなるのは下向きのため.