1. 科研調書に提案
お送りいただいた,途中段階の調書に目を通しました.
学内チェックで出るコメントを優先して,修正してくださればと思いますが,何点か,より良くするためのアドバイスをお知らせします.
1. 研究課題名の終わりの語句(ただし「の研究」「の開発」などは除く)は重要です.その語句をもとに,研究目的欄で,申請する研究課題を通じて何を明らかにしたいかを書けば,審査する方々に伝わりやすくなります.その箇所には,太字と下線を施しましょう.それを実現し,検証(測定)するための方法を,実施計画にうまく盛り込めれば,課題名・目的・計画がつながってきます.
2. 研究目的欄には,他の研究(文献)の引用を2〜3件,入れておくこともお勧めします.これは,個人的に通った経験と,通った調書を見てきた経験によります.新規性のアピールで「これまで……が数多く報告されている」と書かれているところに1〜2件,それに先立ち,研究背景を述べるところでも1件程度,あるといいと思います.
3. 準備状況ほかを書く欄でも,これまでの状況と成果を手短に述べておきたいところです.研究目的欄に書いてあるのと重複しても,減点とはなりません.もちろん,単純なcopy & pasteでは,手抜きと見られてまずいので,適切な言い換えが必要になってきます.
4. 実施計画や準備状況のところで,「研究分担者」と書かれているうちのいくつかは,直後にカッコ書きで,具体的な分担者の名前(姓のみ呼び捨て)を付け加えてみてください.役割分担の明確化につながります.これは分担者として申請に加わり,採択された経験からのアドバイスです.
5. ご存知かと思いますが,モノクロ印刷で審査されますので,スクリーンショットはモノクロ(グレースケール)にして,貼り付け直すことをお勧めします.
2. 演習の関連書籍
初回の演習のあと,深く勉強したいという心がけに感心します.
さて,最初の課題に関連する,書籍やWebの情報を知りたいとのことですが,まずはWebだと,getaddrinfoのマニュアル(manpage)を見つけて,読んでください.おそらくそこには,Cで書かれたサーバとクライアントのソースが載っています.書かれているコメントも(英語かもしれませんが),参考になると思います.
課題でこちらから提示したソースには,初めて見る関数名が多かったと思います.それらのシステムコールやライブラリルーチン,それとソケットなどの概念は,Unixのオペレーティングシステムが密接に関連しています.
それで本ですが,こちらの手元にある中では,次の2冊が有用だと思います.
[isbn:4894712660:detail]
[isbn:4839915660:detail]
どんな本でもいいというわけではなく,古いものだと,getaddrinfoの代わりにgethostbynameを使用しており,そういうのは避けましょう*1.もちろん上に挙げた2冊は,gethostbynameのことが書かれています.
また,再来週に公開する,次の課題では,HTTPについて復習しておくと,取り組みやすいと思います.1冊,本を挙げておきます.
[isbn:479812625X:detail]
これらの本を買って,「自分のもの」にするのもいいですが,演習では使用期間が限られます.そこで,次回(以降)の演習時間中,こちらから持参し,読んでよいことにします.ただし,課題の答えが載っている,というわけでもありません.実のところ,こちらで提供する課題は,単一の情報源では解けないようにしています.
また何かあればメールをください.
*1:目次にも索引にも「getaddrinfo」がない本を避ければいいのです.