わさっきhb

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おかしいと解釈した自分のほうがおかしい可能性が高い

「2015年3月20日(金)」に交わされたコメントを読んで,自分もコメントをつけようかと思って書いてみたものの,ブログ主さんに意図が伝わりそうにないなと思いまして,本記事にて公開しておきます.

「第5条」は、(1つ以上の)乗算記号で結ばれた式の扱いだけを規定しています。それを根拠としたところで、除算記号で結ばれた文字式の解釈(例えば2a÷2a=2×a÷2×aなのか、それとも2a÷2a=2×a÷2÷aなのか)について、答えを得ることができません。
答えを得るのに使用できる情報は「第33条」以降だ、と考えれば、第5条で述べられている内容と矛盾しません。
もう少し書くと、乗算記号と除算記号がともに出現する式の解釈は「第6条」ですが、そこでは各因数は1個の文字に限られています。a÷bcのタイプの式の取り扱いを規定したのは「第33条」で、適用題は、hogehogeさん指摘の箇所、番号で言うと「第35条」となります。またページは飛びますが、「第70条」にも、(a^2x−3ax)÷axという式の計算が出てきます。結果を見る限り、÷axは÷a÷xであって、÷a×xでないのが読み取れます。
文章を読んで理解する際の鉄則は、それぞれの文や文章が、何を対象としているかをよく認識することだと思います。経験則として、(1)ある対象に関して、適用できそうな情報が複数ある場合、後に書かれたほうが優先される、(2)「ここに書いてあるコレはおかしい」が真であるよりも、おかしいと解釈した自分のほうがおかしい可能性が高い、を挙げておきます。

ちなみに2つの経験則はともにプログラミングを念頭に置いています.(1)は実例をUbuntuで,パスワードなしでrootになるにはにて示しています*1.(2)は期待どおりにプログラムが動かないとき,「この処理系,おかしいんじゃないの?」「ライブラリ,バグってんじゃないか?」と疑問を持つ前に思い出したいことです.

*1:「先に書いたほうが優先される」ような,いい例が思い浮かばないのですが,プログラミングやコマンドなどの活用においては,同じ識別子(定数ラベル,関数など)で異なる定義があれば,それを検知したときにエラーとするのが,よりユーザにとって優しいといえます.