- 作者: 浜田靖一
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 1996/07/01
- メディア: 単行本
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イラストも豊富ですが,同じ著者のこれまでの本よりも,写真と解説文が充実していました.多くの人が言及するのも,納得できます.そして新たな組体操の技を考案したり,真新しそうに見える組み方について,関連するものを探したりするのにも,使えそうです.
約300ページのうち220ページほどが「第1部 組体操」で,そのあとが「第2部 組立体操」です.
個人的に興味深かったのは,組立体操のことばかりで,いくつか書き出します.各項目の先頭の数値はページ番号です.カギカッコは本文にある表記,全角クォーテーションマークは本文にない表記です.
- 246:9人による5段の“やぐら”.また中腰ではなく「鉤形姿勢」と記している.
- 250:「膝のり」は,今でいう“サボテン”.肩車から移行するのは完全に同じ.他に2つの方法で同じ形をつくるが,下の者の手はサボテンと異なる.
- 256:「負荷量」の言及あり.ただし定量的ではない.
- 260-268:「幼少期の世界と組立体操の接点」.絵も幼児(頭身が小さい).
- 265:「11人組」は3人・5人・3人で構成され,その中央(5人)は“やぐら”.ただし最下段の2人は内向き.
- 283:「男性と女性との組立体操」.下の写真はおそらく練習中で,男性は直線上に並び,女性は円状の隊形をとっている.
- 296:「梯子を使った組立」*1.梯子の高さは約3m.©だけは4.5mか.
プロフィールからも,いくつか知識を得ました.奥付の著者略歴には,「日本体育会体操学校高等師範科卒業」「日本大学名誉教授」と書かれています.
日本体育会は,日本体育大学の前身です(wikipedia:学校法人日本体育大学).
Wikipedia内をさらに調べると,wikipedia:日本体育大学には,体操部のOBとして濱田靖一の名前が見られるほか,wikipedia:松浪健四郎では,日本大学大学院で浜田靖一に従事*2したとあります.
*1:http://www.geocities.jp/ma85003/math/artpyramid.pdfでは「11段ピラミッドに挑戦するために「はしご」まで登場するのである.これって,スポーツでは違反行為ではないだろうか.用具や道具を一切使わないところに組体操の魅力があるのではないだろうか.」とあります.濱田靖一の著書を取り上げる直前です.「数学文化」の記事も,はしごの指摘と濱田靖一の名前は,同じページに見られます.