わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

暗号解読

今年度のレポート課題(単一換字暗号の解読)は,以下の文章を使用しました.

ここまでは探偵のあざやかな負けだった。が、彼が気を持ち直して、頤のところをおさえて立上ったとき、下へぱらりと落ちたものがある。封の破れている手紙だった。それが収穫物だったのだ。
さすがに探偵で、普通の者なら一顧もしないものを、彼はポケットへねじこみ、それから公園へ躍りこんだ。それはさっきの男を捕えるためだった。だが公園の中はひっそりかんとしていて、野球やキャッチボールをしている者はない。探偵は歯がみをしたが、どうにもならなかった。
が、後で彼は例の封の破れた手紙をポケットから出して拡げてみたところ、これは彼を昂奮させずには置かなかった。すなわち一枚の紙に書かれた全部は、悉く片仮名ばかりの文章であり、一度読み下してみると、それが正に暗号文であることがはっきり分ったのである。

記号を取り除いてひらがなにし,ワープロ*1のローマ字にするところまでは,KAKASIを使用します.暗号化はsed -e 'y/abcdefghijklmnopqrstuvwxyz/暗号文アルファベット/'により行い,暗号文アルファベット(AからZまでのシャッフル)はRubyで生成させました.
上の文章の中で,今ではなかなか見かけないなと思った表現は,「ひっそりかんとしていて」です.「かん」は漢字で「閑」と書くことができ,「ひっそり」と合わせて,静かな状況を表します.コトバンクには,「ひっそり閑」が載っていました*2.「ひょっこりはん*3では,ありません.
レポートは昨日が締切でした.今朝,答案を回収して点数をつけ,解答例をMoodleにアップロードしたのち,授業で見せながら「原文ではこのあとに,暗号文と,それを主人公の探偵がどのように解読したかが書かれていますので,暇なときにURLより文章全体を読んでください」とアナウンスしました.