わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

27÷7の答えは,何の段の九九を使って求めればよいですか

 子どもたちは,おやすみの時間です.「パパぁ,こっちに来てぇ」という,あとの子に腕を取られて,寝間へ行きました.
 「パパぁ,何か問題出して」
  「問題なあ…」
 「算数でよろしく.えへっ」
  「算数か…あとの子よ,お前,今3年生よな」
 「そうやで」
  「ほな,わり算やってるはずやから…計算問題な.40÷5は?」
 「よんじゅうわるごぉはぁ…はち!」
  「おっけ~.さてその答えを求めるのに,何の段の九九を使こたかな?」
 「えっと…ごのだん!」
  「その通り.5の段やな.5×1=5,5×2=10ってやっていったら…」
 「もっと早くもとめられるよ!」
  「ほぉ(おっ? 8の段を使うつもりか!?)」
 「あのね…ごごにじゅうご,ごろくさんじゅう,ごしちさんじゅうご,ごはしじゅう! って」
  「なるほど,5の段の途中から言うんな」
 「いいでしょ!」
  「ま,そうするなら,いきなり5×8=40(ごはしじゅう)って言うのでもいいかな」
 「まあねぇ」
  「次の問題にいくぞ…27÷7は,何の段の九九を使う?」
 「えっと…それって,あまりがあるんよね?」
  「そうや.すぐ気づいたな.九九の前に,27÷7は,何あまり何になるんかな?」
 「ちょっとまってね…3でぇ,あまりが6,かな?」
  「そうなるな.暗算で,こういうの計算できるのは,素晴らしぞ」
 「やったぁ」
  「さてその計算,何の段の九九になるかな?」
 「九九は…えっと…3のだん!」
  「ああ,最後の最後で詰めが甘かったか.たしかに3の段には,答えが27になるのんがあるが,それは3×9=27(さんくにじゅうしち)であって,27÷7のわり算とは別やからな」
 「パパ,話が長いの! あたし,もうねるからね!!」
  「そこまで機嫌を悪くせんでも…」
 「さっさとあっちに行って!」

我が家のおやすみ事情

 子らは当然,パパ・ママよりも先に寝ます.寝間は2階です.
 とはいえ,布団に入ってすぐに眠れるわけではありません.子どもらどうしで騒ぐと,階下からママまたはおばあちゃんが,「なに騒いでるの,早く寝なさい」と,お叱りの声が飛んできます.階段を上がって寝間に来ることもあります.
 そこで,子ら,とくにあとの子・すえの子は,パパと寝間に引き入れたがります.その後は上のように,(算数に限らず)ちょっとした問題を尋ねたり答えたり,今日あった出来事を話したりしてくれます.声が大きくなってしまい,叱られたときにパパも一緒に叱られる,というのが思惑にあるわけではなさそうです.
 やりとりは,寝室の子らが眠気を催すか,うえの子が入って来たところで,お開きとなります.うえの子に促され,パパは退室します.反抗期というよりは縄張り意識なのでしょうか,うえの子は,子らの寝間にパパがいることを好みません.

わり算で用いる九九の話

 後者は,URLの日付のとおり約1年前の記事ですが,一昨日に更新しました.検索して,関連する学習指導案をいくつか読んだとき,「九九1回適用の除法計算(あまりなし)」「九九1回適用の除法計算(あまりあり)」というのを,見かけたのでした.
 うえの会話の,40÷5は,前者であり,27÷7は,後者です.
 「九九1回適用の除法計算(あまりなし)」の総数はというと,九九(総九九)のかけ算の式に1対1に対応します(a×b=cに対し,c÷a=b)ので,81通りです.
 「九九1回適用の除法計算(あまりあり)」の総数を求める前に,「九九1回適用の除法計算(あまりあり・なし)」の総数を求めることにします.除数は1から9までです.被除数について0を対象外とし,最大値は81を超え,89が考えられます(89÷9=9あまり8).商が0となる場合を含め(例えば1÷9=0あまり1),10以上は含めないとすると,被除数は,1以上で「除数の10倍-1」以下となります.なので総数は,9+19+…+89=10+20+…+90-1-1-…-1=450-9=441通りです.
 結局のところ,「九九1回適用の除法計算(あまりあり)」の総数は,441-81=360通りとなります.
 この360通りの中に,27÷7に対する3の段のような,「商」の段の九九を使うのではうまく求められないのが何通りあるかですが,サブブログ(かけ算の順序の昔話)の補足1で列挙した「84通り」よりも,多くなります.以前の算出では,商が0または1となる場合を,除外していたためです.

「商」の段の九九を使うのではうまく求められない,とはどういうことか

 https://twitter.com/vecchio_ciao/status/466752273163362304より見ることのできる出題について,次のように値を変えてみます.

 次のわり算の答えは,何のだんの九九を使ってもとめればよいですか。

  • 26÷7  ( のだん)
  • 27÷7  ( のだん)

 「26÷7」も,「27÷7」も,7の段を使って求めればよく,答えは「7(のだん)」です.実際,7の段を順に唱えると,7×1=7,7×2=14,7×3=21,そして7×4=28は,26または27より大きいのでダメとなり,商が3となることを確認できます.
 3の段を使えない理由は,2つのわり算の式で別々に述べることにします.まず「26÷7」について,被除数の26は九九に出現しません.そこでもし,3の段を使うとなると,積が26以下で最も大きいのは,3×7=21ではなく,3×8=24となるのです.あまりも,26÷7=3あまり5,26÷3=8あまり2と,異なってきます.
 「27÷7」に関しては,九九に27が出現(3×9=27,9×3=27)します.ですがその答えは使えません.27÷7=3あまり6と,あまりが出るはずなのに,3の段では,あまりがなくなってしまいます.