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大学入試共通テストの「適当でないもの」への指示について

 テスト問題を対象に研究をしている学生の進捗を聞き,次のようにアドバイスをしたことがあります:「大学入試センター試験の多肢選択式の問題で,『適切でないもの』を問うときには,その指示を太字・下線を設けて強調していますよね」.
 今は大学入学共通テストなのですが,そこではどのように指示しているかを,調べてみました.以下より,各教科の問題を読みました.

 地理Bの第2問 問6をはじめ3箇所で,「適当でないもの」が太字になっていました.下線はありません.その反対の出題の指示は「最も適当なもの」で,5箇所あり,強調表示はなされていませんでした.
 また地理Bの第5問 問3では「誤りを含むもの」が太字でした.化学基礎では,最初の4問が「誤りを含むものはどれか。最も適当なものを,次/後の①~④のうちから一つ選べ」で,このうち「誤りを含むもの」が太字でした.国語では第1問 問1 (ii)で「異なる意味」が太字です.
 他の教科の状況も合わせると,学生に対して言ったことは,次のように訂正しないといけません.

  • 「適切でないもの」ではなく,「適当でないもの」と指定している.
  • 「適当でないもの」「誤りを含むもの」は太字になっているが,下線は引いていない.

 下線(国語では傍線)は,文章や選択肢の中で注意を要する箇所に施されていました.例えば化学基礎の第2問 問2では,「下線部に誤りを含むものはどれか。最も適当なものを,後の①~④のうちから一つ選べ」で,各選択肢の一部に下線がついていました.
 太字は,上記の指示のほか,参照すべき対象について,例えば「ア」「A」などの記号や,「表」「図」「操作Ⅰ~Ⅲ」「【文章Ⅰ】」などに,使用されていました.